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百と千が見学に来た日からは、高校での撮影日でも主犯格の子たちに何か言われる事もなく、むしろ遠巻きにされている位で、順調に撮影が進んでいく。

4月になって、ドラマもテレビで始まって、W主演の男の子と一緒に1日中番宣に駆け回ったり、ブライダル雑誌の特集という仕事が舞い込んできたり。

ブライダル雑誌は、IDOLiSH7やTRIGGERやZOOLも同じオファーを受けた仕事だけど、基本的にみんな一緒に撮影するわけじゃない。
それぞれ担当の式場に合わせて、季節やシチュエーションが変わって、オフショットとインタビューがある。
百が夏、千が秋。私は6月の表紙を飾る。

瑠璃さんの結婚の話も進んでるらしいし、ブライダルいいなあ・・・ーーって・・・百に落ち着いてからって言われたんだった。

今の状態も嫌じゃないし、どうしても結婚っていう形に拘りたいってわけじゃないけど、プロポーズされたらすぐ結婚準備に取りかかるんだろうなって思いこんでた身としては、ちょっとやきもきしちゃう。

でも今回、私がRe:valeである事についての悪口だとか陰口だとかを聞いたから、やっぱりまだなんだろうなという気はしてくる。

もっと認められるようになりたい。
簡単じゃない事くらいはわかるけど。


5月。
ドラマ撮影終了後の打ち上げは、バーベキュー場で行われた。

主犯格の人が謝ってきて、ウェルカム状態で許すことは出来ないけど謝罪してくる気持ちは受け取るから、あとは他の人に仕事で返してと言うと、お辞儀をして私から離れた。
騒動としても終わりを迎えることが出来たと思う。

プライベート面では、友達の△の元彼騒動も一件落着して、△とみっちゃんが付き合うことになったのは大きな変化。
早く付き合えば良いのにって思ってたけど。


「へえ、謝りに来たんだ。最後に気まずい形で終わるのが嫌なんじゃなくて本心?」

バーベキュー場での打ち上げが終わった次の日、事務所で百と千とおかりんに報告すると、千が怖いことを言った。

「謝りに来ることが重要じゃない?本心じゃなくても、これからこっちに精神的にも身体的にもダメージなきゃ何でもいいんだし」
「そうね。そうなる前にこっちから共演NGにしてもいいんだけど」
『2人共、言ってる事が怖いよ・・・』

百も千も、ケロッとした表情で言う事じゃないと思うよ。
その気持ちは嬉しいけど。

冷や汗をかきながら頬を引きつらせる私の横で、おかりんも苦笑いしていた。

61 (ブライダル雑誌)→←59 〜百side〜



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作者名:miz | 作成日時:2021年7月3日 9時

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