54 〜百side〜 ページ4
Aたちの仕事終了後、ユキと巳波とマツリちゃんとAとオレが、夕飯を食べるべくお高めレストランの個室に集まった。
未成年が2人いるしユキの車で来てるから、当然お酒は頼まない。
とまあそれは置いといて。
ユキは目の前に座ってるAに説教されていた。
『私情を絡ませて現場の士気を下げるのはやめてくれない？』
という説教。
Aを含めここにいる全員わかってる。ユキが悪くないこと。
でも、自分のために誰かを巻き込むの、Aは嫌がるもんな〜。
自分が巻き込まれるのは普通に平気なのに。そういうとこ、めっちゃ好きだけど。
「僕が下げたんじゃない。あいつが下げたんだ」
オレの隣で足を組んで堂々と言ったユキは、めちゃくちゃイケメ･･･じゃなくて、Aの説教をものともしない。
あれ？やっぱそういうとこがイケメンじゃん･･･！
オレだけが、ぱああーってユキを見てる中、Aの隣のマツリちゃんはハラハラしてんのが見て取れて、マツリちゃんの隣の巳波は何でもないことのようにメニューを見てる。
さっき全員分注文したのにまだ気になんのあんのかな？
まあいくら注文してくれてもいいんだけど。
オレとしては、Aを気にして見てくれたマツリちゃんにはお礼をかねて、巳波には情報くれたお礼として、ご馳走するつもりだし。
「お待たせ致しました」
店員さんがふすまを開けて注文した料理をお盆にのせて持ってきた。
順に目の前に料理が運ばれる。
「ほらほら、ユキはAのこと悪く言われたから抑えらんなかったわけだし。ちゃんと撮影終わったんだからユキの事は許してやって？んで、あったかいうちに食べよう！」
Aがオレの言葉にキュッと口を結ぶ。
わかったとため息混じりに頷いてくれてみんなで手を合わす。
食事をしながら、オレは今回の騒動を調査？し始めた時を思い出していた。
Aの内出血を気にした日、理由を教えてくれたのは2人だった。
まず連絡したのは、ドラマ関係の監督とか助監督とかスタッフ。共演者。
内出血だとは最初聞かなかった。
百A、現場で元気にやってますか〜?(･ω･ﾉ
当然、前置きの挨拶はそれぞれしたけど。
それに対して返ってくるのは、元気だよとか、頑張ってるよとか。
元気だけどどうして？みたいな人には、殺陣とかで怪我してないかなと思ってって返した。
大丈夫だと返事が返ってくる中、巳波のだけ違った。
それは岡崎事務所にいた時に連絡が来た。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
