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みんなの姿が見えると、その中に千がいるのに気づいてしまった。
人目を気にして、百を追いかけるのを止める。
仲良いだけで悪く言われるのを避けるためだ。
私が言われるだけなら別にいい。
怪我だとか撮影に支障が出るとかがなければ、っていう前提はつくけど。
でも私が悪く言われる事でたまちゃんが怒ってくれたように、千も怒ったら？
百は相手に怒らなさそうだし場を丸く収めてくれるだろうけど、私が傷ついてると思ったら、同じように傷ついてしまうような人だ。
だから言わなかったっていうのもあるのに。
百と千が、まさかピンポイントで今日来るとは思ってなかった。
だって高校を借りての撮影は少ないから。
千が前に来た時は撮影スタジオだったから、陰口も何もなかったんだし。
「･･･A？」
少し先にいる百が私を振り返って止まる。
『百だけ行って。千と帰って』
「え･･･」
『撮影再開になったら行くから』
ふいと百に背を向ける。
ミナたちが来ているのを目にした途端、後ろから手首を掴まれた。
「Aは、たくさんの人が賛成してくれたからRe:valeとしてやれて、オレたちの傍にいれんじゃん。堂々としていいんだよ？」
『･･･私が気にしてるのは、そこじゃな･･･』
「堂々とはされていると思いますよ」
百と私の隣に来たミナが、耳に髪をかけながら言った。
２人でミナを見る。
ミナは微笑みながら、また口を開いた。
「陰口は知らんぷり。怪我をされても主犯を挙げるわけでもない。気にしていなさそうな態度は取られています」
「気にしてなさそうに見えても、気にしてるかもしんないでしょ？」
「勿論です。ですから、Aさんの内出血の事を知ってるかと百さんに聞かれた時、真実をお答えしました。ですが、現場に乗り込まれると主犯を刺激されるとお思いにならなかったんですか？」
「Aを養護するために来たんじゃないよ？剣道の対決は焦ったけど、主犯の子にも好意的に接するよ？ラブ＆ピースがモットーだから！」
2人共笑顔。
でも百の言葉には、ツッコミ所があるけど。
ラブ＆ピースって言いながら脅しだの人を信用しないだの、連絡先というデータだけの付き合いだの、色々あったよね？
まあ百はZOOL可愛がってるから大丈夫か。
藤「わ〜、バチバチ〜」
『ん？そう？』
首を傾げていると、ミナが千たちがいる方に目線をやる。
「ですが･･･千さんは、そうもいかなさそうですよ？」
千を見ると、明らかに何か揉めていた。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
