182 (番組観覧) ページ32
「番組観覧はこちらでーす!」
そう言って、番組名が載ってるパネルを持った人が声をかけてる。
先輩から送られてきた観覧当選のメールを表示させてその人に見せると、紙を渡されてから番組観覧の人専用の部屋へ入った。
先輩からのラビチャは、番組観覧って来てみない?だった。
テレビ見たのなんて、三月くんが見せてくれたことあるの位だし、そんな赤ちゃんのような知識位しかない私が行って良いのかって思ったけど。
仕事後の時間だったし、特に用事はないし。
一通り話を聞いてからOKすると、番組観覧のメールが送られてきた。
応募してないけど可能なんや。
裏側見たみたいな微妙な気分。
しかし周りの人たち、可愛い恰好してるな。
ライブに行った時も可愛い恰好してる子たくさんいたけど、やっぱアイドルと同じ空間にいるから少しでも可愛くって思ってるからなんだろうか。
好きな人には可愛く見られたいもんね。
対して私は、仕事帰りで普段着に近い件について。
それでもいつもより少しはマシなはず。
でも場違いな気が。
あ、男の人もいる。
ちょっとホッとして、さっき貰った紙に目を通す。
放映日とか注意事項が書いてあって、ふんふんと読んでると、さっきパネル持ってた人が部屋に入ってきた。
簡単な説明を受けて部屋を出る。
時々段ボールが積まれてあったり、何とかスタジオだの誰かの名前が書かれてる部屋だのの前を通り過ぎる。
騒がないと前もって説明を受けてるけど、誰かの名前が書かれてる部屋を指差しながら嬉しそうに、前の人がこそこそ言ってたから、有名人なのかもしれない。
“NEXT Re:vale”とボードに書かれた入口を通り過ぎると、一気に天井が高くなって閉鎖感がなくなる。
代わりにすごい量のコード。
カメラのかな?
踏まないように注意しながら勧められるままに、並べられてる椅子に座った。
・・・・・・前から二番目・・・
ワザとやないけど!
流れでこうなっただけやけど!
最前列やないだけマシやけど!
知り合いが目の前にいんのってやりづらない!?
ハラハラしてると、どこからか百さんと千さんと先輩が出てきた。
わあって周りの人の小さな歓声。
「こんばんはー!今日はみんな観覧に来てくれてありがとう!」
笑顔でウインクしながら、百さんが言う。
□「みんな元気に見えるけど、番組収録の途中で気分が悪くなったら、そっと手を挙げてね。」
「お手洗いに行きたくなってもね。」
先輩と千さんも笑顔で言った。
256人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:miz | 作成日時:2020年11月19日 8時