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「え?名脇役って言われてんだよ?何個か賞貰ってるし。」
「そもそもそこはA、分からないと思うよ。」
『よく分からんけど、なんや凄いんや。』
「ユキも主演男優賞とか色んな賞貰ってるよね!□とも共演したしさ!」
「それはモモもでしょ。」
なんか関係がよう分からへんけど、そうか。
『じゃあ、何で音楽の仕事してるって私に言ってたの?』
「してるよ。作詞作曲“とか”。」
『エレクトーンは辞めたの?』
「仕事でやってるよ。」
私の問いに淡々と答える先輩。
凄いな。
昔から努力家だったけど。
スキルありすぎやん。
さすが先輩。
「ああそういやネットは見るんでしょ?年越したらさ、Re:valeのホームページ時々見てくんない?」
百さんが思い出したように言う。
頷いて、タクシーを降りた。
『ありがとうございます。良いお年を。』
「うん!おやすみ。」
先輩達が笑顔で返してくれるも、すぐにタクシーは出ない。
行って行ってと言われて頭を下げて、アパートに入る。
私が部屋に入るまで、タクシーは動かなかった。
〜NO side〜
Aがアパートの部屋に入ったのを確認してから、タクシーは発進した。
「懐かしいね!ユキと暮らした所!」
「そうね。呼んでもないのがついてきたり色々あったね。」
「ストーカー多かったもんね。百も千も・・・」
□が苦笑いしながら言うと、百が口を開く。
「□が一緒にいたから一件一件は落ち着くの早かったんじゃない?大家さんも分かってくれてたし!」
「うん・・・Aも大丈夫なら良いけど・・・」
□は心配そうな表情で、見えなくなっていくアパートの方に顔をやる。
百「不安なら、□と住んだ方が良いんじゃないの?その方が安全じゃない?」
「いや、私の家はアイナナ寮の近くだし逆に危険。」
□の言葉に、千が心配そうな声を出した。
「□は危険じゃないのか?今の時期、問題があったら・・・」
「オレが守る!ボブもいるし!」
「今日ボブ連れてこなかったんだよね。なんで?百が“オレらの”って言ってたのに。」
「だってボブ、でっかいじゃん。あの子怯えるでしょ。」
「あ、そっか。」
□は微笑んで、ありがとうと百に言った。
「でも、想像はしてたけど・・・今日電話あるまでは確証もなかったな・・・信じられなかった。」
「大丈夫。守ろうね。」
百が□の頭を引き寄せて撫でる。
それから各々の家へ帰っていった。
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作者名:miz | 作成日時:2020年4月15日 21時