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39 (先輩の秘密) ページ39

【ハズれた・・・】

□先輩がメンバー入りするかどうかの結果が一番最初に判る、Re:valeのライブ。

ファンクラブ会員優先と思いきや、一般での先行予約も座席数の3分の1位するらしいとバイトの大学生に聞いて、応募した。

“倍率恐怖だろうね・・・”
“当たったら奇跡・・・”
“ああ、関係者になりたい・・・”

いくら友達だからと言って、欲しいとは言えない。
ファンクラブに入る金銭的余裕もない。

なら応募するのみ。

結果が分かる日、休憩中に食べながらスマホを見ると、落選してることが判明した。

【行きたかったなー・・・】

「ハズれたー・・・あ、お疲れさま。」
「お疲れさま。今日もおにぎり弁当?」
『お疲れ様。うん。安くて腹持ち良いから。』

休憩室の空いている椅子に、2人のパートさんがそれぞれ座った。
片方は年上で主婦。もう片方は同じ年齢。

どっちも、アイドルがそこそこ好きらしい。

『ハズれたって、Re:vale?』

「ああ、Re:valeとかアイドルのこと知りだしたんだっけ?そう。Re:valeのライブ!」
「私は子供と一緒に行くつもりだったけどダメだった。」

『お2人とも会員じゃなかったっけ?』
「「今回はヤバいのよ!」」

2人とも、体を私の方に乗り出しそうな勢い。
まくしたてるように口を開きだした。

「Re:valeの今後の第1歩が見れる瞬間なんだよ!?」
「一般先行販売もするから、会員でも倍率たっかいし!会員で外したから一般応募したのに!」
「もー、キャンセル待ち期待するしか!!」

『・・・キャンセル待ち?』

そんなんあんの?

すると2人が、期限までにチケット代が支払われなかったりすると、二次抽選みたいなのがあるらしい。

「一般先行は、また応募し直さないといけないと思うよ?」

『そうなんだ・・・』

食べ終わった物を片付けて、休憩後に店の品出しやレジをして、帰りは店長が送ってくれた。

『すみません。仕事中なのに・・・』
「いいのいいの。仕事の一環っていうか、買い出しっていうサボリの口実だから。」

店長は、すぐサボる隙を見つけては喫煙室に行ってたり、トイレと言いながら珈琲飲みに自販機行ってたり、コンビニとかいつの間にか行ってたりする。

でも、みんな知ってる。
まとめて休憩時間をとる人じゃない。
やる時にはやる人だ。

クレーム処理もうまいし、事務作業も早い。
スーツ姿で本社行くって時は、見違える。

芸能人で例えるなら・・・?
いや、サボろうとするイメージの人いないな。

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作者名:miz | 作成日時:2020年4月15日 21時

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