笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

年始の計画　〜百side〜 ページ8

ヤスは年末で引退する。

Aが三つ目に出した条件は、“世間が、私がRe:valeに入ることを認めたら”だった。

簡単に認められると思っていない。
むしろ、Aは、そんなの無理だとさえ思っている。

だけど。
だからこそ、認められなければ、Re:valeは続けられない。
それなら辞める。

それほどの覚悟でなければ。

Aがそう言った時、血の気が引いて真っ青になった。
おかりんとユキは冷静だった。

「どうやれば認められると思いますか。」

『そんなの分からない。でも、そうでないと、反感を買うだけでしょ？そもそも、認められると思ってるからの提案なんだよね？』

Aはオレたちを真っ直ぐ見て、口を開いた。

『世間が私を認める声が多かったら、やる。その方法は任せる。だけど、そういう記事をワザと書かせたり、嘘が混ざるのは駄目。ヤスが推薦してると言うのは言っても良いけど、それは最終的な後押しでっていう意味じゃないと使いたくない。』

良かった。
それなら、ユキに提案した、新しい楽器をやる他の意味を、実行させることが出来る。

「方法はオレたちに任せてくれんだよね。」
『うん。常識の範囲内でね。』

Aは頷いて、任せてくれた。


その答えが、AがNEXT Re:valeに出ることだ。

AがRe:vale復帰する期限は、設けられていない。
でも、行動するのが遅くなればなるほど、Re:valeとして入るのは難しくなる。

だから、年始に流すのは、Aが自然体で話をする所と、Aがエレクトーンが弾けて、他の楽器も出来るんだと、そういうのを見せる回だ。

それを見た視聴者の反応と、ヤスの推薦があれば、移行できると思う。
Aの3つ目の条件をクリアするには、それが不可欠だ。

NEXT Re:valeは視聴率が良い。

ファンじゃない人も見るだろう。
でも、ヤスがいなくなった後の放送だから･･･

Aもそれに気づいたのか、不思議そうに聞いてきた。

『年末じゃなくて、年始でいいの？視聴率が良いのは、明らかに年始より年末だよ？』

「分かってるよ。でも年末だとヤスがいなきゃいけないだろ？２人同時に出演は出来ない。･･･ちゃんと、考えてるよ。年始に王手をかけるために、何をしなきゃなんないのか。」

Aを見て笑う。

「Aは、Aらしくやってくれたら、ファンは付いてきてくれるよ。Aのご両親も、音晴さんも、この話してもAが続けられるように応援してくれてんだから。」

『･･･うん。』

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