笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

記憶にない新曲 ページ42

記憶がなくなってるっていうのを気づいてくれた。
それが嬉しかった。

それでも傍にいて良いよって言われてるようで。

なるべく口出ししないように、百と千だけがつくったベースの曲を弾く。

「どう？ピンと来る？」

千が不安そうに聞いてきた。

『え？』

どっちを心配してるんだろ。
記憶にあるかどうか？
良い曲だと思えるかどうか？

『えと･･･記憶にない。良い曲だと思うけど。』

「やったー！ユキ！！」
「モモ！！」

千と百が抱きしめ合った。

「これで3人で作れる。僕らの再出発だ。」
『千･･･』

ヤスとしては終わってしまうけど、役に立てる。

例え、私がRe:valeとして認められなくても、作詞作曲は役に立てるから。
認めてもらえるのが、一番嬉しいのは、勿論だけど。

千のバースデーラジオも聴いて、百と一緒に感動して。
ハッピーアワーももう一息。

「ユキの誕生日、どうしよっか。」
『サプライズ？なんかする？』

「･･･IDOLiSH7もTRIGGERも忙しいもんな･･･ユキも千日和とかCD発売だし。」
『帰ってくるの遅かったよね。百も。だから千も遅いよね･･･』

「おかりん含めて、オレたちでやろう！ユキのバースデー&クリスマスパーティ！」
『だから、夜遅くなるってば。』

そう言いながら、百と、あれはどうする？これは？って悩んで･･･千の誕生日当日になった。

『IDOLiSH7とZOOLの、ブラホワの広告見た？』

「見た見た！かっこよかった！どっち勝つんだろーね！まー、オレたちは負けないけどね！ヤス最後だし！」

『来年は、私がどうなるかだよね･･･。でも、ずっと王者でいようね。』
「そりゃもちろん！」

百と話しながら、時計を見る。

百はバラエティの収録。
私はCM撮影。
千は言わずもがな、ソロイベント。

「じゃあ、終わったらユキんち集合で！」

百に手を振って、事務所を出た。

今日は、おかりんは仕事で行けないって言われたから、３人でお祝いする。
パーティをするのは既に千に言ってるし、収録や撮影がおした時のために、料理の下拵えはしてる。

サプライズはケーキだ。

百がデザイン、私が作った。

【めっちゃ難しかった･･･】

マジパン細工が難しかった。
･･･でも、想像よりは可愛くできたかな･･･

百も出来上がりは見ていない。
百の反応も、千の反応も楽しみ。

「はい！Aさん、終了です！」

『ありがとうございました！お疲れさまでした！』

撮影が終わって、寄り道してから、千の家に急いだ。

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