笑顔のキミが好き 【百】 26 （完結）

説得漫才　2 ページ15

おかりんが、そんなことより･･･と、Re:valeのブラホワ出場が、今年はないかもしれないと言った。

百「はあ！？ヤス、最後なのに！？」
千「去年の総合優勝なのに？」

話によれば、3年連続総合優勝したから、殿堂入り扱いにして、他のアーティストのためにチャンスを作るとか言っていたらしい。

『私の、抱きたい女は、殿堂してくれなかったのに。』
百「月雲のなんとかさんが、暗躍してるんじゃないの･･･？」

「自分も喉まで出かけましたけど、さすがにはっきりとは言えませんでしたよ。」

まあ、言えないよね。
言ったって、きっと相手はノーしか返事を持ってない。

千が落ち込みだして、志津雄さんから、ハッピーアワーはどうなってるか聞かれて、星影の一部が勝手に動こうとしてるらしい事を言った。

話の流れで、百が、月雲了とわかり合いたかったけど、万をネタにして、私をワザと外した事にムカついたから、譲歩しない、終わりだと言った。

「ぶつける相手をなくした悪意で、中毒を起こせばいい。」

『･･･百って、なんていうか、激しいよね･･･』

気性が。

「え？下ネタ？」
『ちゃうわ！』

百が、さっきの怖い顔から一変して、嬉しそうになる。
また抱きつかれそうになるのを拒否してると、千がポツリと呟いた。

「･･･なんが自分が言われてるような気になっちゃった･･･捨てないで･･･」

『え？』
「そんな話してた！？ユキのこと捨てるわけないじゃん！こっちの台詞だよ！」

物凄い早く私から離れて、千の方へ行く百。
忙しいな。

「“未完成な僕ら”のアレンジにも、全然OKくれないじゃないか。こんなにモモが渋るの初めてじゃない？はあ･･･。才能なくなったのかな。」
「そ、そんなことないって！色々全部いっしょくたにして、へこむの止めなよ！」
「そうですよ！最近、情緒不安定ですよ！ビタミン取ってください、ビタミン！」

『千。』
「何？」

『･･･言われたくないかも知れないけど、言うよ。』
「？」

『絶対に出来る。説得は私には分からないけど、千は、千自身の音楽してなきゃ生きていけないんだから。それだけ音楽に、真摯に一生懸命に向き合える人が、今までしてきた努力に見放されるわけないよ。』

真っ直ぐ千を見る。
驚いたような表情の千に、微笑んで見せると、千も微笑んでくれた。

「･･･ありがとう。」

おかりんと百が、ホッとしたように肩を下ろす。

「めっちゃ格好良かった！」

百が私に満面の笑顔で言った。

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