笑顔のキミが好き【百】 18 (ページ25)

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お忍びでお祭り　4 ページ25

「あれー？大和、Aの浴衣姿にムラッとしてるんじゃない？」
「し、してませんって！」

ヤマさんがハッとしたような顔をして言った。

「デートですか？よくバレませんね。」

「モモちゃん、オーラ消すの得意なの！･･･なんちゃって。いつも髪の色でバレるからさー、カツラ被ってんの！」

言いながら百が帽子を脱ぐ。

ヤマさんが、おお、真っ黒だけの髪の百さん･･･とか言ってる。

「他の子たちは？」

「あっちですよ。」

言いながらヤマさんが奥に入っていく。
人の気配が少なくなっていった。

『わ、穴場だねー･･･』

「ももりんとAっち！」

「環！やほー！」

皆がワラワラと集まってくる。
みっちゃんと、いおりんと、ナギがいない。

焼きそばに並んでたのは片方は身長からして、みっちゃん？
もう片方は身長差からすると、いおりんかな？

ナギは何してるんだろう･･･

「Aさん、下駄じゃないんですね。でもとてもお似合いですよ。浴衣もサンダルも。」

そうちゃんに褒められた！
めっちゃ照れる。

『えへへ、ありがとう。そうちゃんも浴衣姿格好いいよ！下駄はさ、慣れないと靴擦れしちゃうからね。』

言うと、そうちゃんが焦りながら両手を振って、僕なんかに勿体ない言葉を！！とか言ってる。
昔の百の反応そっくりだな。

「ふーん。そういうもん？」

ヤマさんが会話に入ってきた。

『ヤマさんは慣れてそうだよね、下駄。』

「そんな事ねえけど。」

『だって、昔の写真見たよ？お正月の袴とかさ、下駄履いてたでしょ？』

「え？いつの？」

『志津雄さんと初めて映画共演した時に見せてもらった。』
「げ。あんの野郎･･･」

「でも大和さん、和装似合いますよね。去年のお祭りも、浴衣姿、格好良かったですし。」

「ああ、去年な！いやー、あん時は飯食っても味気なかったなー。」

「だから塩もっとかけてもらえば？っつったじゃん。」

いつの間にか皆がこっちに来た。

「環ー、女の子がいる方がいいって意味だよ。華やかでしょ？ほら、Aがいるだけで。」

百が言いながら私の肩を寄せる。

『いや、華やかなのは浴衣だけですが。』

「ほら、女の子のうなじって色っぽくない？」
『聞きなさいよ？』

たまちゃんが、わからないと言いたげに、眉間にシワを寄せた。

「よくわかんねえ。」

「まあ、タマには早いかもな。」

「大和は、Aの魅力わかるから、どっか行ってもいいよ？」
「もう振られたんで冷たくしないで下さい。」