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4(Twelve Fantasia Tour 福岡) ページ22

「本当はさ、シャトルバス出てるんだけど、そういう訳にもいかないだろ?」

『まあ、間違いなく次の日ネットニュースになるかもね。』

「世間的にAなら、オオゴトにはならないかもしれないけど、俺たちには大分オオゴトだな。」
『皆に問いつめられるね・・・怖。』

「あはは。」

笑い事じゃない。
想像して恐怖にかられた。

都市高速に乗って、会わなかった間の話をしたりする。

『藤・・・?』

パーキングに着いて降りると、万がトランクから小さめの保冷バッグを出した。

「行こう。」

万について行く。

【保冷バッグって・・・飲み物?お弁当?】

宿泊場所でキッチンあったな。
え?わざわざ作ったの?
まさか。

入園口に入ると、すぐに藤で出来たトンネルがある。

『わ・・・!すごい・・・』

人は多いけど、藤のトンネルは意外と長い。
万が嬉しそうに微笑んだ後、藤のトンネルを向く。

「想像より凄いな・・・綺麗・・・歩く?」

『うん。』

歩いてると、どうしても人が多くてぶつかりそうになる。
万が私の肩を寄せた。

【わ・・・!】

うわー。
うわー。

密着してて、すごい恥ずかしいんだけど。
万の方見れない。
顔上げられないから、藤も見れない。

こういうの、自覚する前は平気だったのに・・・!!

ポンポンと肩に乗せられた手が動いて、ソロッと顔を上げる。

「手にしようか。」

万が笑って、肩にあった手を離して、手を差し出した。

【繋ごう・・・って事だよね?】

まあ、これなら幾分かドキドキがマシかも・・・?

そっと万の手に自分の手を乗せると、万は笑顔で手を取って引いて歩く。
藤のトンネルを抜けると、また藤がある。

『すごいね!白い藤って初めて見た!』

「22種類とか書いてるな・・・ゆっくりグルッと回って、休憩所で休憩しようか。」

頷いて、すごい大きい藤棚の所へ行く。
かなり壮観。

思わず歩幅が狭まって、ゆっくりになる。

「凄い嬉しそう。良かった、連れてきて。」

『うん。凄い綺麗。ありがとう、万。』

藤を見上げたままの姿勢で万を向いて笑う。
万も微笑んだ後、私の帽子のツバを上げてから少しかがんだ。

【!!】

一瞬で離れた唇と、表情が変わらない万を見て混乱する。
来園している他のお客さんも上ばかり見て、中々進まないし、他の人を気にしない。

でも・・・

「休憩所行こうか。お昼にしよう。」

頬に集まった熱をどうにも出来ずに、頷くしか出来なかった。

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作者名:miz | 作成日時:2019年7月28日 8時

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