過去の幕開け 5 ページ29
千と食事をして、月雲了のマンションの近くの駐車場に車を停めてもらった。
金属バットを後部座席から出して、持ち歩く千を見る。
『怪しいよね。夜暗い中、金属バット持ってる人。』
「そう?」
マンションに着いて上を見上げる千が、どの辺か聞いてくるけど、私には分からない。
時々人の気配がする度に、千と少し距離を取った。
写真取られたりとかだと危ない。
それを勘違いした千が言った。
「僕、そんなに怪しい?」
『怪しい。』
「もう乗り込んで良い?」
『駄目。』
何回目かの“乗り込んでいい?”
この人、1人で待ち伏せしてた時はどうしてたんだろ?
ジッとしてられる所は、百とは違うけど。
【・・・っていうか、立場逆だったらもっと怖・・・】
千だからまだ猟奇事件起こさなそうに見えるんだ。
きっとそうだ。
でも、だからと言って、怪しさがなくなるわけじゃない。
『月雲了が何もしていないのに、千が金属バット持って乗り込んだら、警察捕まっちゃうよ。・・・その前に百が暴れて百も捕まるか・・・Re:valeはお終いだね。』
「モモが何かされる前に僕がやる。」
『だから駄目だって。』
口だけは百と同じだ。
呆れて息を吐いた。
『全く・・・あんたたち、暴力事件多すぎなの。普通ないからね?真っ当に生きてる人には、こういうこと。』
「万みたいな事言う・・・」
『万が今いないから私が言うんでしょ。そうしてきたよ、今まで。・・・・・・本当、4股事件とか、万が千の代わりに殴られるとか、誰かの彼氏が殴りにかかってくるとか。血のイヴとか、照明落下とか・・・私を車道に突き出したり殴られたりも、千に関する事だったし。』
盛大に大きくため息をつく。
百は紡に、“普通ないよ、事件とか!”なんて言ったクダリがあったけど、めっちゃあるよね。
そう、Re:valeは普通じゃないんだよ!
【って言ったら、私もか・・・】
「4股事件って何?」
『え?千が4人同時に彼女・・・・・・あ。』
しまった!
私が千と万に会う前の話だった!
「そんなこと、Aがいる時あった?」
全然覚えていないらしい千は、不思議そう。
『万に聞いたの!私がいないときの話。』
「そう。」
危ない!!
他のは日常茶飯事的にあった事でもあるけど、4股は出会う前しかなかった。
「ねえ、モモ遅い。行こう。」
『駄目だって!出てくるまで我慢して。』
千が息を吐いて壁に寄りかかった。
私も隣に立つ。
少しすると百が来て2人が仲直りした後、皆で笑った。
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ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» if・・・九条天、公開しました!のんびり更新で申し訳ないですが、良ければどうぞ^^ (2019年8月1日 1時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 分かりました!気長にお待ちしております((。´・ω・)。´_ _))ペコリン (2019年7月22日 3時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» ありがとうございます^^どれかキリがついたら出そうと思います! (2019年7月17日 3時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
エレノア(プロフ) - ミズ ミズさん» 出来るんですか!?凄く嬉しいです!幾らでも待ちます! (2019年7月14日 13時) (レス) id: 3eb5819514 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - エレノアさん» エレノアさん、天くんsideは作成出来そうです。ただ、もう少し練った上で公開させて頂いてもよろしいでしょうか? (2019年7月12日 0時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:miz | 作成日時:2019年6月22日 8時