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年明け。
テレビを見ていた。
食器を洗っている途中なのに、吸い寄せられるように目が離せなかった。
画面に映るのは、よくあるキスシーン。
唇が離れた後、また交わされるキス。
『･･･っ』
長い。やっと離れると抱きしめあう。
「･･･好きだ。」
『私も･･･』
ガシャン！
と大きな音がして、我に返った。
【きっつ･･････】
しゃがんで、割れたお皿を拾う。
「･･･っ！痛･･･」
伸ばした右手を一瞬で引っ込めて人差し指を見ると、じわりと血が出てくる。
切ったんだと思うと同時に、言いようもないドロドロした感情に襲われる。
「･･････最悪。」
千とAのキスシーン。
【あー、観るんじゃなかった。】
最近忙しいのは知っていた。
ヤスだし、Aはドラマに意外と出てる。
分かってる。
こういうシーンだって、女優なんだからやること位。
それにラビチャも昔よりはしなくなったし、何かある時だけ事務所に来て話して帰っていく。
主にバレンタインやホワイトデー、誕生日、クリスマス。年始の挨拶。
この前、パソコン教わりに来たのが最後に会った時だけど。
【冬が好きになりそう･･･。】
Aが好きだと気づいたものの、手を出そうとまでは思っていない。
出し方が分からない。
急に連絡をたくさん取るようにするのもおかしいし、好意を伝えて距離をとられたら困る。
下手に距離が近いから、余計に難しい。
もういい大人なのに。
大人だからか？
【そういや、好きな人っているのかな。百くんじゃないなら。】
千以外から恋愛感情を持たれる事を考えるようになった変化も気になる。
俺の知らない所で、Aが変わっていく。
それが少し嫌だと思う。
「知らなかった･･･」
俺、独占欲強いんだ。
そうでもないと思ってたのに。
あまりヤキモチとか妬きにくいと思ってた。
実際そうだった。
そこまで真剣じゃなかった？
いや、そんな事はない。
一度彼女に振られて、千に酷く言われるほど落ち込んでいた事もある。
あの時は、Aに迷惑をかけた。
指に絆創膏を巻いて、割れたお皿を処分して掃除機をかける。
女優なら、こんな事はよくある。
タレント事務所の事務員なら、割り切らなくちゃいけない。
そうでなくても割り切らないと、好きでいるのが辛くなっていく。
【Aは？】
千からあんなに逃げ回っていたのに、どうすることも出来ない仕事。
Aと千の心理状態を考えると、それも少し辛くなった。
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ミズ ミズ(プロフ) - 南雲藍琉さん» キャラ掴み出来てますか？万の口調は千相手と夢主相手だと、ちょいちょい変わるので、ちょっとドキドキですｗ (2019年7月2日 6時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 万さんの小説ってだけでだいぶキてます。供給ありがとうございます……。 (2019年7月2日 0時) (レス) id: 95a4309a02 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - 麗妃さん» お待たせしました！ありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
ミズ ミズ(プロフ) - あいすさん» 読んでいただきありがとうございます！よろしくお願いします！ (2019年6月30日 12時) (レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
麗妃(プロフ) - 万さんルートありがとうございます！待っていました！！読んできます！！ (2019年6月30日 11時) (レス) id: d59234d3e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年6月16日 10時
