笑顔のキミが好き【百】 15 (ページ2)

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MV構成案ページ2

楽屋に入ると、百と千がMVの構成案の内容について話している。

百が楽しそう。

「オレが街のあちこち爆破しちゃう、超ゴリッゴリの犯罪者！モモちゃん、こんな凶悪犯、うまく演じられるかな？」

「モモの得意分野じゃないか。」

『すっごいカッコ良く出来るよ。』

「えー？ユキとの戦闘シーンなんて、無理だよ！イケメンすぎてこっちが心臓止まっちゃうもん！」

「戦闘シーン･･･？」

ああ、雨の中の、格好いいやつ。

もう格好いいっていう単語しか出てこない。
私の語彙力･･･！！
あのMV大好きだから。

そんな事を思ってると、千が構成案を見ながら「スタントマン用意しよう。」と言い出した。

「ユキは別に飛ばないよ！？」

ああ、百は飛ぶよね。
あれ、すんごい怖い。
でも超格好いい。
ああ、語彙力･･････！！

「モモは飛ぶのか？」

「飛ぶってさ！駐車場から！」

『隣のビルからね。』
「スタントマン用意しよう。絶対。」

「うーん、なるべく自分たちで演じたくない？ワイヤー使って貰ってさ！」

「気持ちは分かるが･･･。高さ、結構あるんだろ。」

「大丈夫！別にベランダから放り投げられるとかじゃないんだし！」

【ああ、月雲了のやつか。】

動物を放り投げるとか言ってたもんね。

「ヤスはラストだけ出るね。」
『えっ！？ダンスパートのバックで弾くのと、指アップだけじゃなかった？』

「ほら、Aがさ、犯人を密かに想ってる役やってんじゃん。」

百が顎に手を当てながら言う。
頷くと、あのラストシーンは？と聞かれて、犯人の事を想いながらどこかへ去っていくと答えると「そう、それ。」と言われた。

「その部分だけ、ヤスがやるの。ラストシーン。他は演技NGだから諦めたんじゃない？」

「『えっ！？』」

【私が私の役やるの！？】

『超面倒くさい･･･解釈変えないとマズくない？それ。』

千「解釈は同じ方がいいんじゃない？Ｍissioｎの世界観組み込んでるなら。」

『すんごい難しい･･･バレない？』

「「分からないね。」」
『ちょっと！？』

うわー。
胃が痛くなりそう。

「ダンスパートは体、慣らしとかないとな！ジム行く？」

『どっちの？』

百、ジム2カ所行ってるよね？

「どっちでもいいよ！モモちゃんスペシャルメニュー一緒にこなしてもらうからね、ユキ！」
「それはどうだろう。」

「オレの考えたメニューを、ユキが汗だくになりながらこなす姿、早く見たいなあー！」
「それはどうだろう。」

思わず吹いた。