ヤスの為の肉 3 〜千side〜 ページ4
「･･･あ。俺、凄い汗･･･最悪な夢を見た･･･あれ？A、来たのか？」
え？さっき、Aを見て名前呼んだだろ。
『さっきね。千の顔色の悪さ、分かる？』
「え？･･･どうしたんですか･･･。･･･まさか･･･スタジオで、歌いすぎたんですよね･･･？」
【本気で覚えてないのか？】
Aは“カット”と言った。
入ってきてあの一瞬で芝居だと思ったのか？
ひきつってる表情の大和くん。
【犯罪者にするつもりは、ない。】
小さくため息をついて、そうね、と言った。
・
Aがメイクを落とす。
腕に力が戻ってきた。
足にも。
【ああ、死ぬかと思った･･･】
大概が酸欠で気を失う位で済むけど、それ以降は分からない。
Aが巻き込まれなくて良かった。
これ以上大事な人に何かあったら、間違いなく気が狂う。
手の震えを見る。
ギュッと拳を作った。
大和くんに襲われたからじゃない。
手を伸ばして、救えなかった時を想像する恐怖。
「はあ･･･」
【生きてるうちに、しっかり想いを伝える努力をしないとダメだな。】
意識が遠のきそうになる時、Aとモモを思い出した。
生きてて良かった。
『千？』
「なに。」
『嬉しそうだね？』
「そう？」
よいしょ、と腰をあげて、A用の肉を焼く。
Aが結局、大和くんにも半分あげてしまったけど。
「A、楽譜。」
スタジオで、僕が作曲したベースの楽譜を渡すと、いつものように付箋が何カ所が貼られる。
サビマエだけないと言われるけど、ずっとピンと来ない事を言った。
意見を聞いたのに、言ってくれないのは何で？
楽譜を弾いて貰うも、随分弾きにくそう。
言いたい事があるなら言えばいい。
何故そうしない？
イライラする。
僕は真剣にやってるのに。
『なんかピンとこない。･･････曲のイメージはＭissionなんだけど。』
「けど？」
なんだ。
言ってくれるんだ。
Aは躍動感が欲しい、全体が締まってないと言ってきた。
ああ、良かった。
Aもちゃんと考えてくれた。
「もう一回考える。Aはお風呂入ってきて。」
大和くんに襲われないように気をつけてと言うと『千とは違うから大丈夫』と言われた。
「僕は襲っていい立場でしょ。」
『昔は立場関係なかったよね。』
「じゃあ今はいいんだね。」
笑って言うと、Aは恥ずかしそうに笑ってから目をそらして部屋を出て行く。
【あんな顔されると襲いたくなるだろ。】
小さくため息をついた。
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ミズ ミズ(プロフ) - 伊織露維さん» いつもありがとうございます！気分はずっと書いていたいんですけど、体と時間は思うようにいきませんね(笑)でもお気遣いありがとうございます＾＾気をつけながら頑張ります！ (2019年8月5日 8時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
伊織露維(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです。更新を何より楽しみにしています。お疲れの出ませんように…。 (2019年8月5日 1時) (レス) id: 2aaf981a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月31日 8時
