ヤスの為の肉 2 〜千side〜 ページ3
「なら、認めなよ。大和坊っちゃん。君は愛されたいんだよ。でも、愛される努力はしたくないんだよ。そんな自分が恥ずかしいんだよ。･･･Aの事だってそうだ。告白したなら振られても頑張れば良かったじゃないか。少なくとも僕は頑張ったよ。振り向いてくれたのは、ただのタイミングだ。1年早かったら今頃モモのものだった。それを君は頑張ろうともしないで･･･」
インターホンが鳴る。
こんなタイミングでA･･･。
大和くんの手をよけて、通話ボタンを押した。
「入ってきて。合鍵あるでしょ。」
大和くんに向き直って話を続けた。
「･･･だから君は作品で愛されようとしてる。芝居や歌は君が生み出した作品だ。でも君自身じゃない。作品が愛されたからって、君が愛されたことにはならない。」
「･･･うるさい･･･。」
「作品が否定されたからって、君が否定されたことにはならないよ。」
「･･･ッ、うるさい･･･！」
「君は人の心を震わせるものを生み出せる。それ以上、何が必要だっていうの。ねえ大和く･･･、･･･っ！？」
首を締められた！
とっさに大和くんの腕を掴むも、力が強くてふりほどけない。
「･･･ッ、最初からこうすりゃ良かった･･･！何も言わないあんたは好きなのに、生きてる限り、べらべら余計な事を喋る！」
「･･･ッ、･･･ッ！」
【A、こんな時に来るなよ･･･いや、来て貰った方が大和くんが正気になるか？】
でも正気にならなかったら？
巻き込まれたら？
「あんたが黙れば安心して眠れる！安心して好きでいられる･･･ッ」
「や･･･、･･･ッ」
【このままじゃ･･･大和くんが･･･】
視界が少しクラッとした。
A･･･
モモ･･･
リビングのドアがバタンと開く。
「･･･ッ、それ以上ひどいことを言わないで･･･。･･･俺が間違ってても･･･」
『ヤマさん！』
大「A･･･」
【A･･･】
大和くんの手が僕の首から滑り落ちた。
「･･･っけほ、けほ･･･。」
『千、大丈夫！？』
「･･･っけほ･･･っ」
辛うじて首を縦に振る。
Aが急いで濡れタオルを首にあててくれた。
かと思うと、Aは座り込んだ大和くんの肩に手を置いた。
『カット、OKだよ。･･････ヤマさん？』
【カット･･･？】
「･･･けほ･･･」
少しずつ整っていく呼吸の中で大和くんを見ると、ゆっくり大きく目を見開いてるのが分かった。
憑き物が落ちたかのような表情。
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ミズ ミズ(プロフ) - 伊織露維さん» いつもありがとうございます！気分はずっと書いていたいんですけど、体と時間は思うようにいきませんね(笑)でもお気遣いありがとうございます＾＾気をつけながら頑張ります！ (2019年8月5日 8時) (
レス) id: b42bdaf0d2 (このIDを非表示/違反報告)
伊織露維(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです。更新を何より楽しみにしています。お疲れの出ませんように…。 (2019年8月5日 1時) (レス) id: 2aaf981a59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月31日 8時
