取引 3 〜百side〜 ページ18
「あれはスキャンダルの塊だ。暴露する人物も押さえてる。君たちが驚くようなビッグネームだ。今までのように週刊誌の小ネタじゃ終わらない。モモがもみ消したようなAの、熱愛スキャンダル程度じゃない。もみ消させられないよ。」
「･･･誰が暴露する？」
「ないしょ。うまくいったらIDOLiSH７は名前を変える必要があるね。6人でやっていくことになるだろうから。アイ･･･なんとかシックス。いい名前ない？モモに免じてAは芸能界に残せるようにしてあげようか。彼氏が辞めたら辞めるかもしれないけど。」
【大和と付き合ってると思ってるのか。】
「モモも、そうやって弱ってるAに付け込んで、自分の物にしてしまえば良いだろう？」
「あんたが愛されない理由を教えてやるよ。あんたはサイコパスだ。良心も愛情もひとかけらもない。」
「そりゃ嬉しいね。優秀な起業家にはサイコパスが多いそうだ。僕の成功を保証してくれてありがとう。」
奥歯を噛み締める。
ぎゅっと拳に力が入った。
美味しくない肉。
いつもだ。
了さんの所で食べるのは、いつもオレが好きな物なのに、美味しくない。
ガタンと椅子から立つ。
「･･･っ、帰る！」
「座って、モモ。ベランダから放り投げるよ。」
「オレがあんたに殴りかかる前に、帰ってやるっつってんだよ！」
「君は友人だ。Re:valeだけなら守ってあげてもいい。僕と取引をするのなら。千やヤスなら見た目が良いからね。２人なら良質な家畜みたいに骨まで利用できる。どうする？」
了さんと視線が合う。
息を吐いて、椅子に座り直した。
「･･･取引って？」
「とあるビッグネームが千葉サロンの実態を赤裸々に暴露する。これでも十分だけど、もっとお祭り騒ぎにしなきゃね。千葉志津雄の愛人の息子。二階堂大和の生の告白、音声で録ってきて。」
了さんは、大和とAが付き合ってると思ってるんだよな？
「それで、Aが傷つかないとでも？」
「彼氏が自分で言うなら問題ない。それが隠し録りされてたとしてもね。」
【暴露するビッグネームか･･･この分じゃ今日は言わないな。】
「いいよ。分かった。大和の生の告白ね。」
「本当かい？モモは話が分かって嬉しいよ！さあ、乾杯しよう。」
乾杯と同時にスマホが鳴った。
表示されたのはヤスだ。
【終わったのかな？バンさんとの話。】
「出ないのかい？」
「ラビチャだ。いいよ、放っておいて。」
「ふぅん？まぁ、モモはオトモダチが多そうだしね。」
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作者名：miz | 作成日時：2019年5月16日 5時
