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お風呂に入ろうと服を脱ぐと、チャリと音がして何かが落ちた。
『?これ・・・?』
ポチ袋サイズの有名ブランドの巾着袋。
よく見る物だ。
高いやつだよね?
どっから落ちた?
間違って私のワンピのフード部分にでも入ったのかな?
取り敢えず開けてみると、メモらしき紙が入ってた。
“Aへ
俺らの1周年記念。
もらって。
・ 大和”
私宛・・・・・・
てか、ヤマさん・・・
・・・・・・自分は苦手とか言うのに、人にサプライズするのは好きだな。
あんだけ酔ってたから、酔う前か、それとも酔っててもちゃんとしてたか・・・・・・
でも泊まるって言わなかったし、酔う前かな?
【ちょっとやられた感。私も何かすれば良かった・・・。】
中身を出すと、クローバーのネックレス。
“千さんが意味もなく贈るわけがない”
そう言われて、告白されたのを思い出す。
確かネックレスの意味は・・・・・・独占欲。
『そんな事しなくても、ヤマさんだけなのに・・・・・・』
しかも、あと1ヶ月もしないうちに付き合って2年になる。
そっちの方がイベントだと思ってるけど。
・・・まぁ、こだわる方じゃないけど、記念日とか大事にしてくれるのは嬉しい。
ヤスの指輪がついている、以前、千から貰ったネックレスを取り出して、指輪をネックレスから外す。
ヤマさんからのネックレスに指輪を通した。
多分、こうして欲しいということなんだろうな。
今は直接お礼を言えないし、ヤマさんは寝てるだろうからラビチャにしよう。
Aネックレスありがとう。大事にするね。
お風呂からあがって見ても、当然のように既読は付かない。
だいぶ酔ってたからな・・・・・・。
呆れて遠い目をする。
“あ・・・結構ご無沙汰だし・・・・・・”
頭に浮かんだ酔う前のヤマさんを思い出して赤面する。
【いや、まぁ、そうなんだけど・・・・・・】
珍しい。
そういう事は、もっと遠回しに言うのに。
最近ヤマさんが、ヤスの状態の私に対する態度が少し変わってるのは気づいてる。
その中での変化のせいか、1周年で浮かれてたからか。
ネックレスをしまって、寝室へ行く。
日記帳を読んだ。
【福岡ライブの結果は分からない。バッドエンドがあるのかも分からない。】
明日はライブの練習。
次の合同ライブ練習もあるし、オフは福岡ライブの後までない。
精一杯、いつも通りやるだけだ。
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作者名:miz | 作成日時:2019年4月28日 22時