笑顔のキミが好き【if･･････二階堂大和】3 (ページ26)

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結局言われた演技が出来ないまま帰る事になった。

本屋へ寄って、何冊か役の参考に出来そうなのを手に取った。
店員が、大丈夫かこの人みたいな表情をしていたけど、何食わぬ顔で買う。

【Aは苦手そうだな、これ。】

寮に帰って取りあえずリビングに置いて夕飯を食べる。
片付け終わってトイレから戻ると、タマとソウが積み重なった本のタイトルを次々見ていた。

「ああ、俺のだ。ごめんな。」

「大和さん･･･。映画の役作り用ですか？大変ですね。」

「あんな本読んで怖くねえの！？人殺しの気持ちなんか知ってどうすんの！？Aっち無事！？」

Aの心配かよ･･･。

「Aは無事だよ。これから人殺しになりきるんだもん。じゃあ、部屋で本読んでるから。」

そう言って、本を全部持った。

「なりきんなよ！人食いたくなったらどうすんの？俺らやAっちの事、食べに来んなよ･･･。」

「えー？そんな事言っても、Aは食っちまったぞ？」

「ぎゃー･･････！！」
「えっ！？それは･･･そういう･･･」

タマが泣き始めて発狂している中、ソウがオロオロしている。

「そうちゃん！Aっちが！さっき無事だっつったのに！」
「お、落ち着いて環くん。意味が違･･･いや、これは言わない方が･･･？」

「はは。じゃあな。」

本を持って部屋に戻った。

「ううっ･･･Aっちに電話する。･･･入院とかかな？そうちゃん、警察とか？」
「大丈夫。何もないから。電話したらいいよ。･･･それにしても、大和さんがこんなに、資料集めするなんて初めてだな･･･。」

・

「あー･･･」

眠くなってきた。
もうちょっと読まないと･･･

コーヒーでもいれてくるかと思って椅子を立つと、スマホがチカチカしているのに気付く。
熱中してて気づかなかった。

着信1件。ラビチャ2件。
全部Aだ。

Aたまちゃんに、食ったとか言わないでくれる!?号泣したたまちゃんに無事を言うの大変だったんだから!!

その30分後･･･

Aあんまり根詰めないでね。力が無駄に入らない、いつものヤマさんなら大丈夫だよ。

「はは･･･怒った後、こんなん送って･･･」

勢いで怒って電話して、出ない俺に更にムカついてラビチャした後、タマに本の事を聞いて思い出してラビチャした。って所か。
目に浮かぶ。
大和サンキュ。

そう送ってから部屋を出た。