笑顔のキミが好き【百】 12 (ページ31)

今日:2 hit、昨日:21 hit、合計:128,248 hit

日記ではない日記帳　3　～百side～ページ31

【日記じゃないとしたら何？日記帳って日記書く以外に用途ある？･･････スケジュール？いや、それは別にある。わざわざ鍵付きだったしな･･･】

「教えてくれる？あの日記帳は何？」

『･･････。』

何でここまで頑なに話さないんだろう。
ただの日記帳に見えたのに。
鍵付きなのには多分意味がある。

「ただの日記帳じゃないんだね？」

『･･･っ』

Aの膝の上の拳に、ポタリと水滴が落ちる。

･･････そういえば前、オレがAを知りたいと言った時、いつか話すと言ってくれた。

あれはきっと、オレの為を思ってるから言わないでいるんだと勝手に解釈していた。

･･････今回もそうなのかな？

「A。泣かせたいんじゃないよ。･･･じゃあ、これだけ。いつか話してくれるって言った事と関係ある？」

Aはオレを見て頷いた。
それ以上、話をするのは躊躇った。

【最愛って言ってくれても、大事な事は話してくれない･･････】

でも、オレのために言わないんだとしても、話してほしい。

オレがAに話さない事は、了さんの事くらいだ。
毛嫌いしてるし、かなり黒いから介入させたくない。

聞かれたら答えるようにはしてるけど。

だけど、今回の事に関して聞いても、Aは答えてくれない。

前は知らなきゃ嫌だと思ってた。
だけど、それがオレのためなら、知らなくても問題ないと思った。

でも･･････

「A。いつかって、何で今じゃ駄目なの？オレ、何があってもAの手を離さないよ？バンさんとAが事故に合う前に言ってたよね。大事な人に何かあったら助ける。代わりに他の誰かが離れても、助ける。･･････オレは、Aの助けにならない？」

『助け･･･？』

Aの目が大きく見開かれた。

「･･････だって、こういう話する時、いっつもしんどそうじゃんか。オレのせいかも知れないけど、そんなに言いたくないなら無理に聞かないけどさ、何か抱えてるなら分けて。Aが言った事だろ。」

『･･････っ』

Aはボロボロ泣いてしまった。

きっとここで引くのは簡単だ。
でも引いちゃったら、もう聞けない。

折角近づいた距離が遠のくなんて嫌だ。

マネ子ちゃんには悪いけど、今はAの所にいないといけないと思う。

だってAは、オレが歌えない時も、しんどい時も、いつも励ましてくれたり色々考えてくれたり、いつだって寄り添ってくれた。

オレにも、そうさせてほしい。