笑顔のキミが好き 【千】 2

みんなの計画　2　〜千side〜 ページ12

ドアを開けると大和くんがいた。

「･･････ッ！千さん･･････」

「･･･大和くん。また君は･･･。僕たちの楽屋に何か用？」

聞くと、気まずそうな顔をしている。

【ももとりんごのスパークリング･･････？】

大和くんが、ももりんに触れているのが分かった。
帰ろうとする大和くんを止める。

「モモのペットボトル、触ってただろ。」

そんな。
まさか･･･

いや、でも大和くんは、Aの事を好きなんだ。
モモの声を奪う事で、Aと付き合っている僕に復讐だとかしていたら？

でも、Aを困らせることなんてするだろうか？

いや、わからない。
元々この子は、志津雄さんに復讐を考えていたんだ･･････

「大和くん。身体検査してもいいかな。」

「あはは。セクハラは止めてくださいよ。･･････それじゃ、失礼します！」

「待て･･･！」

大和くんの腕を掴んで、大和くんが僕の手を振り払う。
その時に白い粉が入った小さなビニール袋が落ちた。

【！！】

「まさか、君が･･･。」

「･･･。はは･･･。」

「何がおかしい･･･。おい･･･。嘘だろう？」

大和くんがゼロの領域を侵すものは許さないと言っている。

理解が出来なかった。

志津雄さんも関係なく、僕やAも関係ない･･････？

「･･･ゼロは神聖なんだ。汚い手で、ゼロの栄光に触れるなよ。」

「･･････君がモモに毒を盛っていたのか･･･。小鳥遊事務所のらくがきも、全部、君が･･･。」

【なんて事だ･･････っ！！】

奥歯を噛み締める。
拳に力が入った。

こんなに近くにいたのに･･･
前も楽屋に勝手に入ったのは、モモのペットボトルに毒を入れるため･･････っ！！

「この･･････っ！」

「･･･ッ、止めろ･･･！」

思わず襟首を持って締め上げた。

「どうしたんですか、千さん･･･。･･････！大和さん･･･！何してるんですか！？」

陸くんが楽屋に入ってきて僕を大和くんから離そうとする。

「止めるな･･･！彼がモモに毒を盛ったんだ！」

「あはは･･･！こいつらが！おまえが！ゼロの領域を侵そうとするからさ！」

「･･･大和さん･･･！」

「ふざけるな･･････！モモの声が潰れる事があったら、君を一生許さない･･･！あいつが、あいつとAがいてくれたから、僕は音楽を続けていく事が出来たんだ！僕にとって、モモはゼロ以上のシンガーだ！おまえたちなんかの･･･！」

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