7話 圧倒的に不利 ページ8
やばい、この人見た目甘いマスクの癖に全く関係なく物凄く…強い
集中力や剣に対する立ち筋、なにもかも完璧だ
剣術は侍になりたいが為に父から教わったものもあるし、何ならそこそこやれる事は出来るっちゃ出来る
だが現役の侍と素人の私じゃあ、もう戦いはあからさまに彼方の方が有利
しかし侍になりたいが為とはいえ、何故か私は剣術より体術の方が得意なのだ。烙陽に住んでいた時に小さい頃神威と何回かやり合ったこともあるし。
神威懐かしいなあ、負けた負けたつって神威がギャン泣きしてた記憶あるなぁ
懐か___
「こんな時に考え事かィ。いい度胸してんなァ!」
「っ!」
ヒュンッと空を切った竹刀が顔の真横スレッスレに通りすがった
いつの間にか私達を囲んでいた真選組の人達がおお!?と又もや歓声を上げる
やば、何してんだろう私。今完全に一瞬だけ上の空だった
集中しろ、今は勝つことだけ考えろ。相手の空いている隙を見て確実に攻めろ。見ろ、考えろ。
「そこっ!」
勢いよく竹刀の先を突き、隙が空いた相手の胴を狙えた
……かと思いきや
__スパンッッ!!
「ざぁ〜んねんでしたァ…!」
「っぐぁっ!」
突こうと思った竹刀を力強く振り上げられ、足で体ごと吹っ飛ばされた
打たれた背中にジンと痛みが走る
最高潮のゲス顔で言われた言葉に思わずサッと血の気が引き、同時に段々と体力にも限界が近づき、集中力が乱れていく
…今確実に狙えたと思ったのに何で…
「あれ、もしかしてそろそろ降参時ですかィ?息が上がってやすけど」
「っいや、まだ…!」
ポーカーフェイスを崩さず息すら上がっていない余裕そうな彼に思わず凄い、なんて思ってしまう
…でも、こんな強い人と戦うのは楽しい…!
「!お前ェ何笑ってやが…」
「ふふっ…!」
どうしよう、楽しすぎてこんなやられ状況の中だって言うのに笑えてきてしまう
一瞬だけポーカーフェイスを崩した彼のたじろいだその隙に後ろから跳んで回り、面を狙って竹刀を振り上げる
「これでっ…さい…!」
バシ、と振り上げた竹刀が掴まれる
一瞬の隙に突いたと思ったのだが、やはり速さが尋常ではない
と、同時にあの綺麗な紅い目がバチッと間近で合ってしまった
「綺麗…」
思わず零れた声と共に集中力が切れ、そのままぐるりと体を片手で持ち上げられ地面に叩き落とされた
「めーん」
パシ、と馬乗りで軽く面を叩かれてしまった
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作者名:みずみや。 | 作成日時:2018年12月9日 22時