大人の色気7 ページ16
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そう言い放ったAは、深呼吸をしてから続けた。
「別に、守ってもらいたいわけじゃないです。ただ零さんのそばにいられるだけ充分なんです。
零さんの笑顔が見られるだけで……私はそれで……んんっ」
顔を真っ赤にして訴えるAの言葉を遮るように唇を奪った。
舌を絡ませる、いつもより長くて濃厚なキス。
「ん……んんっ……」
Aは僕のシャツをぎゅっと掴んで、苦しそうに背中を反らせる。
その背中を支えて、さらに舌で奥へと攻めていく。
「れいさっ……ん」
呼吸が乱れたAが、声を絞って僕の名前を呼ぶ。
支えているAの腰が限界そうなので、ゆっくりと顔を離していく。
「…好きだ……正気を失うくらいに」
浅い呼吸を繰り返しているAの肩を掴む。
最初から、僕が一番大事なものは、決まっていたんだ。
Aの「そばにいられるだけでいい」という言葉で、僕は決心した。
一番大切なのは、仕事でもなんでも、ない。
「これからは、僕がこの手でAを守り抜く。勝手に守るんだからいいだろ?」
「…それは……ずるいです」
「君が一番大切なんだ」
強くAを抱きしめる。「……守られるほど、弱くないですよ私は」と少し不服そうだが嬉しそうに笑うAに、僕は「知ってる。けど、守らせてくれ」と笑い返した。
「だけど、ベルモットにはもう近づかないでくれ。あいつはAが思ってるより何倍も…」
「それは…ごめんなさい。色気が欲しくてつい…」
「なんで色気なんか」
「や…それはその……友達に…私が対象じゃないんじゃないかって、他に相手がいるんじゃないかって言われて…」
最後の方はほとんど聞こえないくらいの小さな声だった。
「ベルと零さんがそういう関係だったら…とか思ったりしたんですけど、ベルはそんな人じゃなかったし、零さんもそんな事するわけないのに、私……不安で」
「なんでそんなこと…」
口ではそう言うが、Aをここまで不安にさせたのは僕なのだ。
Aは恥ずかしそうに俯きながら言う。
「私が色気で落としたい人は、年上で、格好良くて、大人っぽくて……私なんかは、そーゆーことをする対象じゃないのかも…なんて」
「本気で言ってるのか?」
「そりゃあ…本気じゃないと色気の出し方なんて聞いたりしないですよ」
「じゃあ、そーゆーことをする対象だと思ってるってことを、分からせてやればいいんだな?」
「は……」
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曇天に笑う - じゃあいいや誘わなかったら良かったですね! (2019年5月19日 23時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
みずきち(プロフ) - 曇天に笑うさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!合作をしたことがなく、やってみたい気持ちは山々ですが、私生活が忙しくて、この作品でも精一杯なので、やったとしても迷惑をかけてしまうと思います。なので申し訳ないですが、今回はお断りさせていただきます。すみません (2019年5月12日 23時) (レス) id: 0505c061d5 (このIDを非表示/違反報告)
曇天に笑う - みずきちさん» よかったら合作しませんか? (2019年5月12日 17時) (レス) id: 96967fede0 (このIDを非表示/違反報告)
みずきち(プロフ) - えれちょむさん» えれちょむさん〜とっても嬉しいコメントありがとうございます!!ベルモットいいですよねえ!つい書いていて夢中になっちゃいます笑応援ありがとうございます!これからも頑張りますね!! (2019年5月4日 21時) (レス) id: 0505c061d5 (このIDを非表示/違反報告)
えれちょむ(プロフ) - ピュアな感じで読んでて微笑ましいお話です、(なんか上から目線ですいません)ベルモットが個人的に好きで、出てきたことに興奮しておりますー!続きも気になります、更新頑張ってくださいね (2019年5月4日 17時) (レス) id: e7dac9cba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みいみい | 作成日時:2019年5月1日 23時