ユンギのお気に入り (ページ30)

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YG side ページ30

「まだかなぁ…。」

「うるせぇな…お前はそれしか言えねーのかよ、」

「まだって、昨日テヒョナが言ってたバイトの子？」

「そう、Aちゃん。笑」

可愛いんだよ～って

メンバーの前で自慢気に話してるけど

昨日会って、ちょっと話しただけじゃねーか。

ヒョンから "「午後には皆んなのとこにも挨拶に行くから宜しくね～」" って連絡があってから

テヒョンはずーっと、この調子。

まだかなまだかなって

言っとくけど、まだ昼前だからな？

口を開けばアイツのはなしばっかりしやがって

おかげで俺まで……って、なんでだ？

昨日はあれから大丈夫だったか、とか

新しい環境はどうか、とか

要らぬ心配ばかりしてる。

つーか、あいつにはヒョンがついてんだから

俺が心配することじゃねぇーだろ…。

「ねー、ユンギヒョン…。」

「……だから、アイツが来んのは午後だって言ってんだろ？」

「そうじゃないってば、」

「んじゃ、なんだよ！」

こっちこっち、ってメンバーから少し離れたところまで連れてこられて

テヒョンにしては珍しく神妙な面持ちしてるもんだから

真面目なはなしかなって思ったのに

「Aちゃんのことなんだけどさ、」

って、……やっぱアイツのはなしじゃねーか。

ったく、なんだよ

「あいつがどうかしたか…？」

「好きになるのに順番なんてないと思うんだよね」

って、……いきなりなんのはなしだよ。

「……っ、…お、お前、」

「ん？」

……まさか、嘘だろおい。