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ここには
キレイな
すれ違う
最先端のファッションに身を包み
甘い香りを漂わせながら
颯爽と廊下を行き交う。
そして私はというと
『すみませーん、通りまーす…。』
なんて言いながら
廊下の端っこを
肩身の狭い思いしながら
重たい荷物を運んで行く。
それも何往復も。
時折滴り落ちる汗が目に染みて
拭おうと立ち止まっていると
「おいっ、A！」
『は、はい！』
「ボケっとすんな！」
『は、はいっ！』
ほんのちょっと休んだだけなのに…
おかげで怒鳴られることにはもう慣れたけど
"「やだ、なにあれ。笑」"
くすくすと嘲笑うかのような笑い声と
他人を見下すような視線には
未だに慣れない。
いや、慣れたくはない。
なんで私ばっかり……。
「ほら、早くしろって！」
『は、はいっ！』
ちょっとでも華やかな世界に
淡い期待を抱いていた少し前までの自分を
……憎らしく思った。
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作者名：はな x他1人 | 作成日時：2019年11月19日 19時
