10.聞いてない ページ12
「あ、ごめん電話だ。ちょっと待っててね」
そう言って天月さんは席を外して向こうへ行ってしまった。
天月さんが電話してる間にコーヒーが来たので、私はそれをちびちびと飲みながら待つ。
「…おいしい」
コーヒーは割と最近飲めるようになってきて、まだ慣れてはいないのだが、ここのはとても飲みやすくて私の好きな味だった。
私も今度、友達誘ってこようかな。と思っていると、天月さんが戻ってきた。
「お待たせー」
「誰からですか?」
「まふくんだよ。新曲の打ち合わせをしたいっていうから、ここに呼んだけどいいよね?」
「え、じゃあ、まふまふさん来るんですか?」
「うん。あ、嫌だった?」
「いえ、こ、心の準備が…!」
ままままままふまふさんが…来る!
まふまふさんが来ると知ってソワソワしていると、お店のドアが開いた。
「天月くん!如月さんがいるってホント!?」
高い声、金髪、高身長、動画で見たことのあるクリっとした大きな目。
私は確信した。
「ほ、本物のまふまふさんだ…」
私が1人で驚いていると天月さんが立ち上がってまふまふさんに近付いた。
「来るの早くね?wあ、こちらが如月さんだよ。Aちゃんはもうわかると思うけど、このヤンキーみたいなのがまふまふ」
「おい」
ヤンキーみたいなのと言われたのに腹を立てたのか、低めの声でまふまふさんがツッコミを入れた。
「なんで如月さんのこと名前で呼んでんの!?」
…あ、そこですか?
「ふふふ…いいだろう?」
天月さんはこれでもかと言うくらいドヤ顔している。
私は、まふまふさんの悔しがる顔が可愛くてじーっと見ていたら、ふっと彼と目が合った。
するとまふまふさんはずんずんと私に近づいてきて
「あ、あの!どうもまふまふです!如月さんの動画いつも見てます!…あの、えっと…天月くんばっかりずるいので僕も名前呼びしていいですか!?」
「全然いいですよwちなみに本名は如月Aと言います。改めてよろしくお願いしますね」
「うん!ありがと!よろしくAちゃん!」
まふまふさんはめっちゃ嬉しそうな顔をして握手した手をブンブンと上下に振った。
え、ちょ、痛い…。
「あ、そうだ!実はね、後からもう1人来るんだけど大丈夫?」
握手していた(?)手を離し、まふまふさんが言った。
「誰が来るんですか?」
「えとねーさk」
まふまふさんが名前を言おうとした時、またドアが開いた。
「まふまふ!如月さんどこにおる!?」
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作者名:みずドラ | 作成日時:2018年6月16日 0時