醒めない悪夢 ページ2
もとより私は父から虐待を受けていた。そして、父を逆鱗させる私を母はよく思っていないようだった。それは父のいない夜、酒の入った母がよく言っていた。
「…貴女が毎回毎回あの人を怒らせるから私は苦労してるのよ」
「…あなたさえ居なければ…」
「おい、さっさと撃て」
「や、止めてA」
「…………うわぁぁぁぁぁッッ」
その日、私を連れてここに来たのは、私を捨てるからだ。そう悟った私は母に銃口を向け、一思いにトリガーを引いた。涙で視界が歪んでいただけまだマシだったのかもしれないが、銃弾が母を貫いた時の顔は朧気にではあるが未だに残っている。
「ははッ、とんでもねぇな。おいッ、金はまだか!?じゃねぇと片っ端から撃ち殺すぞッ!」
1つ、乾いた音。その後にぐしゃりと人の倒れる音。視線をあげると細身の老人が撃ち殺されていた。
「い、急いで準備しますッお待ちくださいッ」
「…………ぁ、ぁぁ」
「早くしねぇと全員死ぬぞッ」
「止めてぇぇぇぇぇッ」
そして、私は一日で2人も人を殺した。そして銃の反動で体を壁に打ち付けた。その痛みで小さく呻いていたら生ぬるい感触が足首に感じた。その強盗は血でまみれた手で私の足首をしっかりと掴んでいた。
「………こ、の…ガキ……が」
憎しみで溢れかえった瞳。穴の空いた眉間、一定の粘度を持って広がる血液。そして、血で汚れた
「この人殺し」
聞き慣れたこの言葉は酷く気分の悪い朝を迎えさせる。
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雪@そらなー - 鵠さん» 作ったよ〜!裏切り+愛=呪いで検索かけたら出ると思う! (2018年12月12日 20時) (レス) id: a70a7db5f1 (このIDを非表示/違反報告)
鵠(プロフ) - 相澤雪さん» ありがとう!もし作ったら教えてね (2018年12月7日 22時) (レス) id: c75e48906d (このIDを非表示/違反報告)
相澤雪 - めちゃめちゃ参考になった!更新頑張って!! (2018年12月7日 15時) (レス) id: a70a7db5f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鵠 | 作成日時:2018年12月3日 22時