貴方の幸せを願う【ハリーポッター】 (ページ44)

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『あー、癖？みたいなものです。お気になさらず』

疑いの目を向けられているが事実なのでどうしようもない。

日本の中高生なら分かってくれるはずだ。

『で、なんのごようでしょうか？』

セ「…何故足に気づいた？」

ストレートにきた質問に淡々と答える。

『あんなに引きずってたら嫌でも気付きますよ。…ちょっと失礼？』

そう言って足元に屈み、素早くガウンを膝までたくしあげた。

セ｢おい！何を勝手に……！！｣
　
　包帯すら巻かれていない傷を見て顔を歪めた。

『手酷くやられましたね。三頭犬にでも噛まれました？』

冗談めかして笑うといきなり胸ぐらを掴まれ強引に立たされた。

セ「何故、お前が知っている…！！」

怒りと驚きの入り混じったすごい顔をした教授の顔が間近にあった。

『さぁ、なんででしょうね？予知夢って事にでもしといて下さい』
そのまま顔に笑みを貼っつけたまま答える。

セ「何が目的だ」

『この前にもお伝えした通り私はただ、救いたい人がいる。それだけです。』

思考を読み取られないよう慎重に言葉を重ねる。

『それに、私は教授が怪しいとは思ってませんよ。1番怪しいのか他にいますからね』

セ「…誰だ」

『クィリナス・クィレル』

　セ「理由は」

『クィレルはトロールに特別な才能を持ってましたよね。
そんな人物がトロールが現れただけで気を失うと思います？』

教授が１つ舌打ちして手を離してくれたのでそのまま消毒して包帯を巻きはじめた。

『それにこの前聞いたんですよ。「そのターバンの中、丁度頭もう一個入りそうですよね！」って。そしたら物凄く睨まれました』

そう言うなり教授の拳骨が頭目掛けて飛んできた。

『痛ったぁ！何するんですか！』

セ「馬鹿者！怪しいと思っている奴に自分から目をつけられにいってどうする！！」

『私には私なりの考えがあるんですー！』

セ「…お前の考えてる事が全くわからん」

　私は曖昧に笑った。
全ては貴方の為なんですよ。教授。その言葉は胸にしまい込んだ。

セ「大体、あの三頭犬さえ居なければこんな事にはならなかった！
いまいましいヤツだ。三つの頭に同時に注意するなんて出来るか？」

　—おっと？聞き覚えのある言葉に素早く耳を塞ぐ。

セ「ポッター！」

想像通り教授の怒号が響き渡る。耳塞いどいてよかった。

ハリー「本を返してもらえたらと思って……」

セ「出ていけ、失せろ！」

ハリーはそのまま全速力で寮まで戻っていった。