約束。2【及川徹】 (ページ37)

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針、87本。ページ37

「…ってことになっちゃいました」

「なんっっっでウシワカちゃんのご指名なの？！」

「私に詰め寄られてもねぇ…」

その日の帰り道。部活終わりのこの時間はもう寒い。体感的に寒いのはもちろんのこと、今日のことを話したら精神的にもキンキンに冷やしてしまった。

なんとも言えない形相の及川にグッと詰め寄られる。いや知らんて。私が聞きたいよ。

「今年はそんなもんやるんだな」

「去年まではなかったのにね」

「俺も乗り込んでやろうかな！牛島の顔面にサーブ埋めないと気が済まない！」

「んなことしたらどうなるかわかってんだろーな…」

「嘘。嘘だから。その拳降ろしてごめんなさい」

いつも通り茶番劇を繰り広げる2人。面白いけど笑えない。当事者は私なのだ。

…私たちの春高予選が終わった日、最後に牛島から言われた言葉の意味ってそういうこと？

来るのを待ってるって言うか強制的じゃないか、嘘つきめ…。

いや、結果的に私が行く構図になってるからこれは私の負けなのか？？なんかすごく悔しいぞ？？

「難しい顔してどうした」

「…戦わずして負けるって悔しいなぁと思って」

「…何言ってんだ…？」

「うんごめん、岩泉にはわからなくていいよ」

「俺は何となくわかる！戦わなくても岩ちゃんには勝てないって思うもん！」

「それは自然の摂理ってやつじゃん？」

「エッ」

及川が岩泉に勝てない云々の話はさておき、とにかく牛島には聞きたいことがありすぎる。

…白黒はっきりつけてやろうじゃないの。