音駒にマネが居ない理由。

居るよ。２ ページ3

.



夜「顔がキモイ」

黒「…え、なんて？」

夜「ニヤつきすぎてて顔がキモイ」

黒「…オブラートって知ってる？」


ニヤついてるのを否定はしない

だって隠せないし

コートの周りをパタパタと忙しなく動くAを見ると表情筋がどうしても緩む

にしてもやっきゅん、それ言葉の暴力
ただの悪口なんですけど


夜「はー、なんでAはお前みたいなやつを選んだんだろうな…」

黒「ねえそれただの悪口」

夜「…みんなのアイドル取りやがって」

黒「あっやっきゅんまさか僻み？」

夜「うるせぇ」

黒「いっでぇ！！」


ズバンッと子気味いい音と共に俺の尻には重たい蹴りが

夜久はオブラートだけじゃなくて手加減も知らないらしい…


『2人とも何話してるの？』

夜「なんも？ それよりドリンクさんきゅ」

『うん、はいどうぞ』


俺らの間に割って入ってきたアイドル

鉄朗もどうぞ、なんてわざわざ渡しに来てくれるのもほんっとに可愛い


『…鉄朗？』

黒「あ、いや、さんきゅ」

『ぼーっとし過ぎだよ、体調悪いならすぐ休んで』

黒「平気平気。心配してくれてありがとな」


俺がぼーっとする原因はAだけなんだけど

なんてのは秘密


『そう？ じゃあ残りも頑張ってね！』


俺の大好きな笑顔を見せて、またパタパタと走り回るAの背中を見つめた



.

居るよ。３→←居るよ。１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す