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顔面トス*゜ ページ40
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「せんせぇー、」
……
「…おらんのか？」
静まり返る保健室前
いつもなら呼んだら出てきてくれるのに
侑の声に反応はない
「あれ、開いとる」
「勝手に入ってええの…？」
「先生がおらんのが悪いやろ」
ガラスを扱うように、丁寧に丁寧にここまで運んでくれた
最後、ベッドに下ろされる時も
「頭、痛ないか？」
「うん」
こんなに優しい侑初めて見た
私の心臓のドキドキは止まらない
布団をかけてくれている侑を見てはっと思い出す
そういえば、まだお礼を言っとらんかった
「侑、ありがとう」
「別にええよ。でも今度からすぐ保健室駆け込めや」
「うん、でもそのことだけやなくて」
佐藤くんのこと
口に出した途端、侑の動きが止まる
「侑？」
「…あれは俺がムカついただけや。それと、」
ギシ
とベッドが音を立てた
「っえ、」
私の顔の横に肘を着いた
侑の顔がすぐそこにある
ちょっとでも動いたら、唇が触れそうなくらいの距離
とくんっ
と心臓がいっそう高鳴って息を飲んだ
「もう金輪際俺の前で佐藤の話するの禁止な」
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作者名：観月
| 作成日時：2020年9月27日 9時
