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「…及川さん」
「ん?」
「借りたいですって言ったら、良いですか」
「…もちろん。俺のここはA専用だからね」
おいで、と優しく手を取られて大きな胸へと抱き寄せられる
昨日とは比べ物にならないくらい泣いた
明日は学校、そんなのも気にせずにとにかく泣く
及川さんはいつもみたいに、頭や背中を撫でてくれる
何が悲しいのか、どうして泣いているのかなんて自分でも分からない
だけど、今、この瞬間、独りじゃなくて良かった
及川さんが居てくれてよかった
「ゆっくり息しよう、過呼吸は良くないから。吸って…、吐いて…」
「っ、は、ー、…」
「そうそう、上手」
ゆっくり息を整える
過呼吸が落ち着く頃には涙も止まっていた
「吐き出したいことは全部言った方が楽になるよ」
「だい、じょうぶ、です」
「そっか、ならいいんだけど」
泣き止んでもしばらく、優しく抱きしめて背中を撫でてくれていた
最近、甘えてばかりだ
及川さんの優しさにずっと頼ってしまっている
申し訳ないと思う反面、不思議と疑問も湧いてきた
「及川さん」
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観月(プロフ) - アキさん» 大丈夫ですありがとうございます!!!そう言っていただけるともっと更新頑張れます…! 本当にありがとうございます!! (2020年10月7日 20時) (レス) id: d67a3f96a5 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - コメントさせてもらっても大丈夫でしょうか。このお話大好きで更新通知が来るたびワクワクしています^_^ありがとうございます (2020年10月7日 16時) (レス) id: 91cac48c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:観月 | 作成日時:2020年10月4日 17時