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「A」
身体中の筋肉が硬くなっていたのに、その一言で力が緩む
今までの声のトーンじゃない
他人を突き放すような冷たい声じゃない
それは
「しばらく見ないうちに、綺麗になったな」
お兄ちゃん、の声
「兄らしいことを何もしてやれなくてすまなかった」
優しさと慈愛が込められていて
「Aは俺のことが嫌いなのはわかっているが、俺はお前を嫌いになれなかった」
今までの空白を埋めるよう
「力になる。困ったらいつでも呼んでくれ」
初めて見た、優しい笑顔
「…及川、Aを頼む」
「…お前に言われなくてもやってますぅー」
「…そうか。じゃあな、A」
温かくて大きな手が、頭に乗った
走り出した若の背中をただ見つめる
「…お兄、ちゃん」
夕陽に溶けていく言葉
零れた涙は地面へと落ちていった
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観月(プロフ) - アキさん» 大丈夫ですありがとうございます!!!そう言っていただけるともっと更新頑張れます…! 本当にありがとうございます!! (2020年10月7日 20時) (レス) id: d67a3f96a5 (このIDを非表示/違反報告)
アキ(プロフ) - コメントさせてもらっても大丈夫でしょうか。このお話大好きで更新通知が来るたびワクワクしています^_^ありがとうございます (2020年10月7日 16時) (レス) id: 91cac48c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:観月 | 作成日時:2020年10月4日 17時