今日:9 hit、昨日:14 hit、合計:50,101 hit
小|中|大
*9 ページ9
.
「怪我なんて滅多にしないのに」
「俺も人間だし怪我くらいするよ」
「正セッターの主将が何言ってるんですか」
先生は運悪くすれ違いで会議
湿布とか使っていいから処置してあげて!
の一言で出ていってしまった
湿布を貼って、テーピングをして
「…岩ちゃん」
「え」
「岩ちゃん気付いてたよ」
「…そう、ですか」
ああ、全部バレたんだ
好意を寄せていたことも
その恋が実らないと知ったことも
「私、バカみたいですね」
小さく呟いた一言は
誰に拾われるわけでもなく空気に溶けていった
氷袋を作るためにがしゃがしゃと乱暴に氷を掻き出す音とか
袋に入れるために捻った蛇口の小さな音とか
グラウンドから聞こえるサッカー部の掛け声とか
微かに聞こえる吹奏楽部の演奏とか
些細な音が私の心の傷に塩を塗る
いつもチャラチャラしてる及川さんは
こういう時ばっかり何も言わなくて
やっぱり、どこにモテ要素があるか全然わからなかった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
153人がお気に入り
153人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:観月 | 作成日時:2020年8月12日 17時