46話「首を傾げる極悪人」 ページ6
諏 「・・・っ、痛い・・・なんだ、急に・・・?」
打ったらしい腰をさすりながら諏訪くんが立ち上がる。
なんだかおじいさんみたいだなと思ったが、口に出したらどうなるか分からないのでやめておいた。
とりあえずここは常識に乗っ取り、
「あの、どちら様ですか・・・?」
尋ねてみる。
まあ、見るからに柄が悪いやんちゃ少年という感じだし、そう簡単には答えてくれないと思うけど・・・
?「高木陸太だ!諏訪
あ、普通に名乗ってくれた。
というか、諏訪くんの名前が「楼」だってこと、一番最初の設定でしか出てきたことなかったから忘れてたな。
それにしても、高木陸太・・・?いや、高木なんてたくさんいるし、偶然だとは思うけど・・・
陸 「高木深空の弟だ!覚えがないとは言わせねえぞ、この極悪人が!姉貴に変なこと吹き込みやがって!!」
深空の弟・・・まさかとは思ったけど・・・
驚いていると、隣で諏訪くんが「何のことだ?」と首を傾げた。
諏 「高木に変なこと吹き込むって・・・二ノ瀬、俺何かしたか?」
いやいや知らないよ。私に振らないで。
私にも心当たりは全くなかった。私が知らないところで諏訪くんが深空に接触していたならともかく、深空からも何も聞いていない。
諏訪くんが極悪人ていうのもしっくりこないし・・・やっぱり今回も勘違いの予感。
陸 「とぼけんじゃねえぞ!姉貴から直接聞いたんだからな!!
"空手が得意な友達がいる"ってな!」
勝ち誇ったように「どや!」と胸を張っているけど、これは、ああ・・・
察した。
諏訪くんは相変わらず状況が飲み込めていないようで、しきりに首を傾げているが、それでいい。余計なことは言わないでね。
「あの、ごめんね陸太、くん?ちょっと君、誤解してると思うの」
陸 「ああ?てめえ誰だよ?女に用はねえから、向こう行ってろ」
「いやいや・・・違うんだって」
陸 「何がだよ?」
この女頭おかしいのか、と言いたげな顔で陸太くんが怪訝そうに私を見る。
残念ながら間違っているのはそっちだよ、陸太くん。
「その空手やってる友達、私ね」
・・・数秒の沈黙ののち、
陸 「・・・っは?」
その見た目にしてはややまぬけ過ぎる声が、暗い路地に響いた。
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あかり(プロフ) - 京さん» いやほんとに、作者自身も唯人くんのキャラ変に恐怖を感じております…。考えてもいない展開に進んでて作者もびっくりっす←ありがとうございます!冬休みなんで今こそ亀更新を改善しようと試みております!! (2018年12月27日 12時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - 何!?もうこわい!唯人君どうしたん!?ストーカー通り越してサイコストーカーやで!?((失礼しました。あまりの変化ぶりにちょっとリアルでいそう…。と思ったのでつい((宮古君のほうも楽しみですねぇ!更新頑張ってください! (2018年12月27日 9時) (レス) id: abb6f0cd00 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - まひろさん» ありがとうございます!宮古くんPartの方が明らかに長いですねすみませんんん(( (2018年12月11日 22時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
まひろ - リク早速書いてくださりありがとうございます!宮古くんの裏?の本音みたいなのが見れてすごくよかったです!!ありがとうございました(´ω`) (2018年12月11日 7時) (レス) id: e1cfe1ea92 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 夜さん» リクありがとうございます!それはもう、諏訪くんは手塩にかけてかわいさを磨いております!←諏訪&主人公でちょっとむずっとする関係のふたりの日常で書かせていただきます!)^o^( (2018年12月10日 21時) (レス) id: 8b1d55c97a (このIDを非表示/違反報告)
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