諏訪くんは普通じゃない

2話｢隣の席｣ ページ3

諏訪くんと私の出会いを､少し思い出してみようと思う｡




時は９月の２日｡




始業式だった｡




引っ越してきた私は､初めての転校に､柄にもなく緊張しちゃったりしていた｡




｢にっ､二ノ瀬Aです！よろしくお願いします｣




パラパラとした拍手を受けながら､指定された席に向かう｡





隣は､ちょっと気怠げな瞳をした男の子だった｡






それが､諏訪くん｡






諏 ｢おー､よろしく｣




｢よっよろしく！す､諏訪くん･･･？｣





名札を見ながら恐る恐る呼んでみると､諏訪くんはちょっと目を見開いてから､｢おう｣と笑った｡




普通に､感じよかった｡



その時までは｡





異変に気づいたのは､その日の昼休みだった｡






諏訪くんの席に､男子が何人か集まってきた｡





男1 ｢すわー､飯どうすんの？｣



諏 ｢俺今日弁当だから教室｣



男2 ｢そうか｡じゃあ俺らちょいパン買ってくるから｣



諏 ｢おー｣






諏訪くんを置いて､男子たちが去っていく｡



私も誰かと一緒に食べよう､そう思ってた立ち上がった時だった｡






諏 ｢え？｣



｢え？｣




隣からの声に､反射的に振り返ると､諏訪くんがぽかんとしていた｡




｢な､なんですか？｣




ちょっと警戒しつつ声をかけると､彼はその顔のまま言ったのだ｡






諏 ｢どこ行くんだ？俺と食べねえの？｣







･･･ほらね､やっぱり諏訪くんは出会ったときから変だったよ｡

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