# 【月の雫】 ページ26
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? 「大丈夫、ですか?」
思わず、数秒間思考を停止させてしまった。
月の女神みたいだ、だなんて、一瞬でも思ってしまった自分が恥ずかしい。
どうにか意識を現実に引き戻す。
三 「だ、大丈夫です・・・すみません」
とは言ったものの、立ち上がろうとすると足が震えた。
・・・情けねえ。
?「本当に大丈夫ですか?体調でも──あっ」
三 「?」
突然言葉を止めた彼女の視線の先には、俺の通学鞄。
三 「これがどうかしたか?」
? 「それ・・・っ、その高校私の従兄弟が通ってて・・・えっと私、三日月
三 「あ、どーも・・・俺、吉村三葉っす。よろしく」
どうやら年下なようで、さっきからあたふたと動いている。
祈 「吉村三葉さん・・・私と同じ、三の字が入ってるんですね!」
三 「ああ、確かに」
それにしても、祈李という名前は珍しい。
三 「いい名前っすね」
祈 「えっ、いやそんな・・・」
照れたように顔を真っ赤にする三日月さん。
どうやら、かなり純粋なようだった。
三 「従兄弟は?何て言う子なんすか?」
祈 「朝比奈・・・朝比奈春紀っていうんです。ご存知ですか?」
三 「朝比奈・・・?ちょっとわからないけど」
まあ、Aだったら知り合いだったりしたりして←
祈 「私家すぐなんで、送っていきますよ。顔色、悪いですし」
三 「いやそんな・・・や、頼む」
女子に送られるというのは男として情けないが、まあ仕方ない。
俺は三日月さんと並んで、夜の道を歩き出した。
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