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幽霊……!?
異能かと思い気にも留めていなかったが、この吉弔と驪駒というやつは、動物霊という異次元の化け物なのだろうか。
……俺と同じように、人間ではないのだろう。



「……っは、上等だぜ」



己の鼓舞も含めて驪駒を鼻で笑う。



「姐さんと部下(あいつら)の仇、取ってやるよ」



「ふふ、なら見せて見るといい。
己の示す最高火力(フルパワー)、この漆黒の天馬(ペガサス)に魅せよ!」



そう言うなり、驪駒のいたところで風が大きく舞った。



「ッ……!」



「おぉ、今の速さに反応できるとは実に素晴らしい!」



驪駒は俺の鳩尾に蹴りを狙い定めたようだが、俺の本能が咄嗟に反応し拳で受け止め、致命傷には至らなかった。

どうやら、マフィアの連中を屠ってきただけあって実力は折り紙付きのようだ。

あの組合のラヴクラフトとかいう野郎並み……否、それ以上の気配を感じる。



「……ハッ、次はこっちからっだ、よ!」



そして、驪駒の目の前でポケットから弾丸をばら撒いて見せる。

そして、勢いよく重力をつけた。



───【異能力】重力操作───



音速の速さで目前の敵目指し舞う弾丸。

この弾丸はダムダム弾と呼ばれるもので、十字に入った切れ込みにより相手に弾丸が当たった途端爆散する。
凄まじい殺傷性を持ちながら加工も容易ということで、世界的に禁止されている弾丸である。


それを数百単位で、目と鼻の先でばら撒かれれば、一体どうなるのかは察しがつくだろう。



「あ、ガ、ああァッ、」



もろに弾丸を喰らった彼女が苦悶の声をあげる。
一方俺は、血の流れないそいつに動揺が隠せなかった。



「っ、く」



一旦距離をとろうとして飛び上がる驪駒に俺は追撃の蹴りを鳩尾にかます。

彼女は音を立てて吹っ飛び、壁に衝突する寸前で翼を器用に使いとどまった。



「っな、なかなかやるみたいだね……。
流石に今まで戦ってきたそいつらとは比にならない……痛さだよ」



そう言ってこちらを見据える彼女の顔は、本当に苦悶に満ちていた。









───────────────
早鬼のそいつらと比にならない「痛さだよ」というのは比にならない強さと認めるのが嫌な早鬼の己のプライドも混ざったセリフになっています。

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設定タグ:東方Project , 文豪ストレイドッグス , クロスオーバー   
作品ジャンル:純文学
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作者名:颯貴@きっちょー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/MizuhasiSatuki/  
作成日時:2021年7月18日 17時

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