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あの日以来、彼女の保護者が増えた。
特に風丸は兄のようにお節介をやく。前はAが姉のように先を歩いていたというのに、今度は風丸が先陣を切っている。
「風丸。別に私の進路について悩まなくてもいいんだよ」
「いや、お前が考えなさすぎるから俺が考えてるんだ」
「一応考えてるんだけどなあ……」
進路調査、と書かれたA4サイズの紙。
期限が迫っている中、彼女の紙はまっさら。
自分の名前すら書かれていない綺麗な紙は、風丸の手によって黒が足されていく。
「そもそも進学なのか？」
「うーーん、たぶん？」
「そこくらいはっきりしろよ……」
自分の胸の内を語らないAに手を焼いている風丸。
あまり困らせたくないという選択肢を取ったAは、風丸のシャーペンを奪い、未定という欄に大きく丸をつけた。
「これでいいよ」
「お前なぁ」
「……でも、不動が言ってた通り家から離れたいのは本当だよ。バイトしてお金貯めてるのはその証拠」
案外、海外に逃げるのもありかもしれない。そう呟くAはへらりと笑い、風丸から進路調査の紙を回収して職員室へと駆け込んだ。
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「浅風さん。真っ白だけど……」
「そうですね」
「……親御さんと、しっかり相談してくださいね」
最近、親とまともに話したかな。
距離を置いてからめっきり話さなくなったAは、そんなことをおもいながら首を傾げた。
「夏休みに三者面談があるから、手紙をしっかり渡して、曜日を決めてね」
「今度は来るかなあ」
「最後の進路なんだから、来るに決まってるでしょう」
今度は、とは。
実はAの母、その日は仕事が入ったと電話をいれ、一年と二年の面談には来たことがなかったのだ。
何かと理由をつけてくるあたり、何かあると考えた学校側は電話をかけ直々に話しを聞いたが、仕事だと一点張り。
娘にも確認もしたが、親に興味がないAは知らないと教師に言った。
三年間担任を勤めているこの教師は、彼女とは毎年二者面談をしているため、埒があかないと頭を抱えている。
学校側も同様。別パターンの問題児として扱われていることは教師の間では有名らしい。
「話すだけ話してみます。それじゃ、失礼しました」
どこか諦めたような表情を浮かべ、彼女は職員室から姿を消した。
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maya(プロフ) - 押し付けがましくない愛されが何ともキュンキュンします！更新待ってますので、応援してます (2021年7月3日 8時) (
レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年1月14日 18時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずあめ＠おれんじ
| 作成日時：2020年9月27日 19時
