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連絡を取り終えたAは、どこかスッキリしたような雰囲気があった。スマホを伏せ、ぼうっと外を眺める。
漸く話しかける勇気が出たのか、風丸は彼女の様子を伺いながら声をかけた。
「浅風、何かあったのか？ どこか嬉しそうだな」
「え？ あ、そう見える？」
再びスマホを触ると、懐かしそうに画面を眺めた。彼も釣られるように眺めると、そこに写っていたのは世界大会優勝のときに撮った写真だった。
満面の笑みを浮かべた部員たち。彼女もその一人ではあった。
「私、まだサッカー頑張るよ」
そう言って、席から立つ。もうすぐ授業が始まるというのに、彼女はスマホを持ってどこかへ消えた。
静止する風丸の声を無視し、取り残されてしまった。
−
授業開始のチャイムが鳴るが、Aは駆け足で部室へと向かう。
土で汚れたボールを持ち、コソコソと校舎裏へと移動していく。殆どの人が授業を受けている中、彼女はリフティングをし、時間が経つとドリブルまでした。
汗をかき、休憩として日陰へ避難するが、改めて自分は授業をサボっているんだと思うと、罪悪感に襲われる。
まだ真面目な部分が残っていたのだなと自傷気味に笑い、再びボールに触る。
「もう、悩まなくていいんだ」
吹っ切れた。この一言に尽きる。
曇っていた未来に光が差し、希望が少しだけ見えた。Aは何が起こるかわからない未来の自分に賭け、ボールを動かした。
その刹那、ぶわりと夏にしては冷えた風が彼女の頬をなで、彼女の夏が終わろうとしていた。
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(きみはもっと自分と向き合わないと)
(まあ、僕が言うのもなんだけどさ)
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maya(プロフ) - 押し付けがましくない愛されが何ともキュンキュンします！更新待ってますので、応援してます (2021年7月3日 8時) (
レス) id: 8486f071d9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!(クソデカボイス) (2021年1月14日 18時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みずあめ＠おれんじ
| 作成日時：2020年9月27日 19時
