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こんにちは、ヒルチャールさん ページ3

ふ、と意識が浮上する。
目を開けると、目の前は……海?
砂浜が足元に広がっている。
なんだ、見覚えあんなここ。…もしや原神開始のスタート地点?

「…おおぅ…。武器もなんもないからサバイバルやんけどないすんねん」

気持ちは冷めたままだ。
とりあえず移動しようかな…。ここに居ても何にもならないし。
ぅああー…とかなんとか呻き声を漏らしながら立ち上がって気付く。
……当たり前といえば、当たり前なのだが。
直前まで室内にいたから、

「裸足じゃん!!!!!!!!!」

悲しみと嘆きと絶望の入り混じった叫びが、憎らしい程綺麗な青空に響き渡った。



気を取り直してのろのろと歩き出す。
裸足なのはもうしょうがないから、このまま行こう…。
画面の前の諸君なら(メタい)「え?原神の世界に入れるんやったらワクワクするやん??」っていうかもしれない。しかし今の自分のこの状況、恐怖でしかない。
とりあえず記憶にある限りすぐに手に入れられそうなものは、果物しかない。
鳥に関しちゃ飛び道具がないし、なんかあの動物は多分捕まえらんないし、イノシシは多分突進されて死ぬ。
つまり、肉の入手は不可能。
うわあ、絶望。むり。

「…やってらんねーーよ…」

はあ、思わずくそでかため息がでちゃうよ!
無理矢理気分を上げようとしても、虚しいばかり。
自分が思い出せる限り、一人で、何も持っていない状態で、気分が落ち込まないもの。

「…あ、夕暮れの実みっけ」

夕暮れの実を拾い、また考え込む。
しゃく、とかじる。…ん、思ったよりいける。美味いなこれ。
いつもの癖で、無意識に鼻唄う歌っていると、思いつく。

「……はあー………歌うか!」

もうなんでもいいかと投げやりな気持ちを抑えもせずにぶっきらぼうに言い放った。




辺りに綺麗な声が響いている。
思い当たるちょっと流行った曲とか、好きなボカロとかを手当たり次第に歌いながらふらふら、大きな城____モンド城がある方向へゆっくりと歩みを進める。

(うわ…邪魔くせえなこの草…。ッイタ、指切っ)

「………。」

大声で歌っていたため、きっとかなりの範囲に聞こえていたのだろう。
目の前で、見たことのある踊りをしているヒルチャールを前にして、ひゅっという小さな音とともに呼吸が止まった。当然歌も止まった。

……俺、終わったのでは?

早くも命の危機→←始まり、原神の世界へ



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匿名 - とても面白いです!更新頑張ってください!応援しています! (2022年6月12日 20時) (レス) @page18 id: e82571c646 (このIDを非表示/違反報告)
とも - 更新楽しみにしてます! (2021年2月14日 5時) (レス) id: b98c820ff7 (このIDを非表示/違反報告)
mizuame(プロフ) - musubeさん» おお…!嬉しいお言葉ありがとうございます!励みになります! (2021年1月3日 1時) (レス) id: 7109d6a483 (このIDを非表示/違反報告)
musube(プロフ) - ガイア先輩大好きなので嬉しい小説ですね…。めちゃめちゃ面白いですしすごい好みです。これからも制作応援してます! (2020年12月25日 20時) (レス) id: 7dc4077422 (このIDを非表示/違反報告)
mizuame(プロフ) - MAREさん» ありがとうございます〜!これからも頑張ります!朝早く起きれたときとかに更新してるのでめっちゃ不定期になると思います… (2020年12月13日 22時) (レス) id: 7109d6a483 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mizuame | 作成日時:2020年12月11日 5時

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