蒼い燈 Aoi_Hikari 21 (ページ1)

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決心ページ1

side 金村A

何故か今の自分が嫌いだと思った

本当の自分でない気がして

鏡に映る自分は偽りに見えた

偽りの自分は関西Jrに真正面にぶつかれていないように思えた

この曖昧な思いを断ち切りたくて、ある場所に向かった

柊真「久々やな」

「ですね」

柊真「ほんまにええの？切るで？」

肩にかかるかそれぐらいの長さの髪

人生で1番長い髪の長さ

「お願いします」

別れを告げた

柊真「それにしても久々やな」

「ですね

柊真君が辞めてから私のこと知ってました？」

柊真「そりゃもう

警察沙汰の事件になってメディアに取り上げられまくってると思ったら、いきなり事務所に戻って副社長？なってるし

もうAには驚かされてばっかり」

「驚かせてばっかりですみません

しかも時間外のこんな夜にお仕事させてしまって」

髪の毛を切っていく歯切れのいいハサミの音が響く

柊真「全然、俺もスタイリストデビューに向けて髪の毛切らせてもらうモデルの人募集してたし

それにいつも夜も練習でここにおるから、マネキンと違って喋ってくれるし楽しいわ」

「お気遣いありがとうございます」

柊真「そんなことないよ、相変わらず律儀やなほんまに。笑

でも何かほっとしたわ」

「え？」

柊真「一応ずっと心配しててんで？

だって殺されかけてたんやで？そりゃ、精神病むやろうし、心にも傷負ったなんて記事に書かれてたし、すぐ退所したし

でも久々に会ってさ、なんか今のAめっちゃ楽しそうやし、イキイキしてる」

「…最近よく言われます」

柊真「みんな思うよやっぱり

それぐらい楽しそう

この一年、どんなに辛い思いやったんかとか、どんな色んなこと思い詰めてたんかは分からん

それに今も何かに悩んでるんやとしても」

「え、なんで、」

柊真「そりゃいきなり店来て髪切って欲しい、なんて何かあったに決まってるやん。笑

でも、今のAの表情俺ずっと好きやった、勿論今でもやで？」

「表情、ですか？」

柊真「そう

例え敵が大きかろうと、立ちはだかる壁が高かろうと関係なく出す闘争心

今メラメラと伝わってる」

「え、出てますか？」