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〈光の部屋〉 ページ1

►長女の部屋


__チュンチュン,チュンチュン…


『……あ゛〜……』


カーテンの隙間から注ぐ日差しが眩しくて、右の腕で目を覆う。
鳥の声が、朝だと知らせるように耳に鳴り響く。

まだ寝てたいが、皆の朝御飯やら準備やらを手伝わなければならない。


(起きなきゃ……)


マットレスに腕をついて、重い体を起こそうとしたその時だった。
自分の左側……隣から、ふわりと身に覚えのない感触が肌に触れた。


『ん……?』


マットレスに突いたままの腕に力を込めて、体を起きあがらせる。
掛け布団を掴んで捲ると、そこには私の身長よりも少し低めの体がそこにあった。


本来ならば、別の__自分の部屋で寝ているはず。
いるはずのない人物に少しだけ目を見開いて、目の前のモノを見つめた。


(……なんでここに?)


?「……んぅ……」モゾモゾ


掛け布団を剥いだことで目が覚めたのだろう。
モゾモゾと体を動かして、ゆっくりと瞼が開かれる。

寝ぼけ眼の紅い目でこちらを見て、掠れた声で私を呼んだ。


?「…お姉様…?」


この子の性格上、ここにいることはまずありえない。


(じゃあ、なんで?)


あまりにも意外な人物で驚きはしたが、冷静を保ちながらも言葉を返す。


『…おはよう、三葉(みつば)。色々と聞きたいことはあるけど、とりあえず起きよっか。』


頭を撫でて、三葉を抱き起こす。


三葉(3番目)「むー……」


寝起きは甘えたモードなのか再び丸くなって寝転ぶと、私の膝の上に頭をのせた。


三葉「……ぉはょぅ…ござぃ…ます…ぉ姉様…」


脳が覚醒しきっていないため、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。


『三葉。お姉ちゃん聞きたいことあるから、座って?』


三葉のお腹辺りをポンポンと軽く叩き、再び抱き起こす。


三葉「…聞き…たいこと…ですか…?」

『そう。三葉、何でお姉ちゃんの布団にいるの?』

三葉「…ふとん…あぁ、えっと………」


未だにウトウトとしながらも、説明に入ろうとする。


三葉「…あ。お姉様……もしかして、覚えてません……?」

『……いつのこと?昨日?』コテン

三葉「はい。」

『んー?うん…。』コクリ

三葉「……昨日の、夜のことなんですが……」


そう言って、三葉は昨日の事をポツポツと話し始めた。

〈目覚めの記憶〉→



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アシュラ - どうやって服を引っ張ってるんですか? (2021年10月5日 22時) (レス) @page20 id: 2f9763fcb3 (このIDを非表示/違反報告)
飴璃 - ちょっとだけ、この休みの期間にお話増やします〜! (2020年9月26日 12時) (レス) id: d856edf1e0 (このIDを非表示/違反報告)
飴璃(プロフ) - オレンジさん» ありがと〜ございます〜♪最近、またママあいに再熱しちゃったんで、新作を作ろうか悩み中ですー……まぁその前にリメイクを終わらせなくちゃいけませんね(´・ω・`)本当に閲覧ありがとうございます( ・`ω・´) (2020年7月26日 23時) (レス) id: 87136d049a (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - はじめまして、コメント失礼します。すごく素敵な作品でした!名前もみんなも可愛くて、お姉ちゃんとみんなの関係性も好きです。完結おめでとうございます。これからもこの作品があるかぎり、何度でも読み返させていただきたいと思います。ありがとうございました! (2020年7月26日 0時) (レス) id: f6088259b5 (このIDを非表示/違反報告)
黒椿鬼(プロフ) - 飴璃さん» はい、覗きに行ってみます! (2020年4月21日 15時) (レス) id: 2aaa8e39e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他2人 | 作成日時:2019年8月5日 5時

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