▽──2番目「密着」 ページ4
『にーばんめっ！あっそびーましょ』ｷﾞｭｯ
2「くっつかないでよ暑苦しい」
『いや？』
2「いーやっ！」ﾌﾟｲｯ
『む……はぁい』
しつこくして嫌われるのも嫌だったから、大人しく離れることにした。
2「……で、今日は何するの？」
『んっとねぇ……』
くっつくのはダメだけど、なんだかんだでれいの遊びにも付き合ってくれる。
うーんうーんと少し考えたあと、今日はあれにしようと決めた。
『前みたいに、2番目の髪触りたい！』
2「……別にいいけど。雑に扱わないでよね」
『わかってるー』
ベッドの上にのぼって、隣をおいでおいでと叩く。
2番目は溜息をつきながらも隣に来てくれた。
『ねー、今日はどんなのにしよっかー』
2「なんでもいい」
『えー…じゃあ三つ編みね！』
髪を解いて、手櫛で梳かしながら言葉を交わす。
サラサラしていて、とても触り心地がいい。
いいなぁ、れいのはちょっとパサついてるから…
そんなことを思いながら、3つに分けた髪の束を編んでいく。
もう慣れたものだ。
『よし！でーきた！』
2「…相変わらず早いわね。」
よしっ、と勢いをつけてベッドから降り、座り込んだままの2番目の手を引く。
『ほら、泉に行こ！』
2「ちょっと、引っ張んないでよ。落ちたらどうするの！」
いつもより綺麗に結べたのが嬉しくて、早く早くと急かしてしまう。
向かうのは、鏡代わりに使っている赤い泉。
渋々ベッドから降りた2番目と共に部屋を出て、通路を走る。
『ふふ、着いた！水場だから、転ばないようにゆっくりね』
2「さっきまで走ってたやつが何を言ってんのよ」
呆れ顔でため息をつく2番目を横目に、手を繋いだまま泉の中心へ向かう。
『ほら、みて！』
下を指さし、2番目の視線を下へと誘導する。
揺れる水面には、私たちの姿が映っていた。
2「……あら、いつもよりは綺麗にできてるんじゃない？」
『でしょ〜』
感心したようにそう呟く2番目を見て、思わずにやけてしまう。
2「…なにニヤニヤしてんのよ。キモイわね」
私の視線に気づいたのか、耳まで真っ赤にしてそっぽ向いちゃった。
……女の子ってすごいなぁ。髪型変えただけで、こんなに変わるんだ。
三つ編みをして大人っぽくなった2番目を見て、少しだけ羨ましくなった。
それでもやっぱり、愛おしいという感情が勝ってしまう私は、重度のシスコンなんだろうな。
『似合ってるよ、2番目』
そう呟いて、愛しい妹を思いっきり抱きしめた。
▽──3番目「性別」→←▽──1番目「体温」�◆�side…No.1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺(プロフ) - 奏唄（仮）さん» あら〜ありがとうございます〜♡大昔のなのであれもこれも直したい所が山々なんですが、どうにも手がつけられずで…( ´•౪•`)平和の中に垣間見える闇、いいですよね〜…… (2022年1月19日 7時) (
レス) id: c9fda36adc (このIDを非表示/違反報告)
奏唄（仮） - 神作品ですねこれは面白いし急に最後らへんにホラーを入れてくるとことかホラー感を出す時の凄さとかが…もうやばい (2022年1月18日 19時) (レス) @page12 id: 9f4520d760 (このIDを非表示/違反報告)
黒椿鬼(プロフ) - 飴璃さん» あれ...あれっほんとすみません包丁になったんですねすみません描き直しますありがとうございます (2020年12月30日 21時) (レス) id: 6c1e5cc655 (このIDを非表示/違反報告)
飴璃(プロフ) - 黒椿鬼さん» ｵ"ｱ"………めためた可愛いです……ありがとうございます！！ (2020年12月30日 21時) (レス) id: c9fda36adc (このIDを非表示/違反報告)
黒椿鬼(プロフ) - いつの間にかれいちゃん見た目変わってたので描き直しました(今回は画像切り貼りとトレスですが)https://d.kuku.lu/daba4f8194 (2020年12月29日 13時) (レス) id: 6c1e5cc655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：飴璃 x他1人 | 作成日時：2019年1月4日 16時
