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第四話・それを恐れたとき04 ページ14

その後の夕食


メニューは春雨。スーパーで売っているような楽に出来るようなやつだ。

それ自体は美味しかったし、桜も隣に座って笑顔で食べていた。

しかし、俺と目が合うと気まずそうに顔を背けてしまう。

声をかけようにも前には母がほほえましそうに見ているし、話しかけたとしてもはぐらかされてしまうだろう。

話かけられないもどかしさと泣かせてしまったことの罪悪感。そして俺自身に対する怒りで味をしっかりと感じられなかった。


きっと俺もムリをしてるのが顔に出ていたのだろう。

食べ終わり、桜がいなくなると


「勇人くん、大丈夫?熱とかない?」


と母が聞いてきた。


「・・・・・大丈夫。朝からいろいろあって疲れてるのかも。」


「ならいいけど・・・。もしかして、桜ちゃんとけんかでもしたの?」


「っ!大丈夫だって言ってるだろ。母さん、もうほっといてくれ。」


図星を指され、俺はつい怒鳴ってしまった。

すぐにハッとして謝ろうとしたが声が出ず、結局母に背を向け自室に行くことにした。


(何でこんなにイライラしているんだ。たかが今日出会ったばかりの子じゃないか。いくら泣かせたと言ってもこんなに気にすることじゃ・・・。)


つい言い訳してしまい、それに気づいてまた自分にイラッとする。

自室のドアを勢いよく閉めてベットにころがる。


「たった一日じゃないか。たった一日で」


つぶやいた言葉の先。


(なぜ俺はこんなに動揺している?)


その言葉は口から出ることはなかった。

まるでその答えはわかっているかのように。

本編とは何の関係もありませんが。→←第四話・それを恐れたとき03



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設定タグ:魅桜庵 , 妖怪 ,   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
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美由紀(プロフ) - こんな感じでいいですかね? (2017年7月2日 22時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
こくりみな(プロフ) - 美由紀さん» 反応遅くなりすみません!わざわざありがとうございます! (2017年7月2日 22時) (レス) id: 03bebef213 (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - イラスト集の作者です!遅くなってすいませんでした!イメ画できたのではりつけておきます!http://uranai.nosv.org/img/user/data/d/c/a/dcabbc29658638cbb58786e17cb9aca3.jpg (2017年6月25日 0時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
こくりみな(プロフ) - 金堂雪音さん» 初コメントです!ありがとうございます!!頑張ります! (2017年3月14日 13時) (レス) id: 93511eb444 (このIDを非表示/違反報告)
金堂雪音 - 先がたのしみますです。更新頑張って下さい! (2017年3月12日 22時) (レス) id: b6258d0c76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こくりみな(桜原案:蒼藍@芽吹) | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年2月13日 16時

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