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緑 side
青「ほんと、慎太郎は凄いって。よくやってるよ。誰がなんと言おうとお前は凄い。内定した会社蹴ってまでこうして寄り添ってんだから。」
樹くんの言葉を受け取っているその途中、急に、お兄ちゃんの喉元が苦しそうにごろごろと音を立てた。
考える前に反射的に体が動く。
涙を拭って手を消毒、すぐに痰吸引の準備を始めた。
「ごめんね、お兄ちゃん今やるよー、少し苦しいけどすぐ終わらせるね。」
いつものように、チューブを丁寧に喉に入れてくるくるっと痰を絡めとる。
青「さすがだなぁ、慎太郎。北斗も安心だ、こんなに丁寧にやってもらえんだからな。」
樹くんの手が俺の頭を2回跳ねる。
「……お兄ちゃん、おつかれさま。」
処置後のいつもの声かけ。お兄ちゃんの頬に触れて、頑張ったねのタッチ。
「……あっ、また、」
すると、あの時みたいにぎゅっと強く瞼を閉じた。
「お兄ちゃんっ！！お兄ちゃん！」
耐えきれなくなって、俺は大きな声を上げる。樹くんも立ち上がって、お兄ちゃんの顔を覗き込んだ。
2、3回強い瞬きが繰り返された後。
お兄ちゃんの目尻から涙が一粒ポロリと落ちて、俺の手を伝った。
「お兄ちゃん……分かるの？」
俺の問いかけに応えるように、涙が次々に生み出されていく。
�爐靴鵑燭蹐Α△錣�るよ。ほくとだよ。おれ、ここにいるよ。��
まるでそんな風に言っているみたいに、もう何回も何回も瞬きを繰り返して。
やっぱりお兄ちゃんは分かってた。お兄ちゃんは話してたんだ。
お兄ちゃんのコトバを反射や知的な障害だって決めつけてたんだ。俺たちがお兄ちゃんを�畫�延性意識障害�瓩砲靴燭鵑澄�
「ごめんっ、ごめんお兄ちゃん…、」
ずっとお兄ちゃんの感情を閉じ込めてしまってごめん。苦しかったよね、辛かったよね。
今まで、沢山伝えようとしてくれてたでしょ？
それなのに、俺のその中のたったの少しにしか気がつけなかった。
青「北斗、なんか懐かしい顔してんなぁ。」
「え、？」
青「……お前と2人で手繋いで歩いてた時によくこういう顔してた。」
もう一度お兄ちゃんに視線を向ける。
……ああそうだ。
これが、お兄ちゃんが俺の�爐�兄ちゃん�瓩任い觧�の顔だ。
fin
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作者名：ばにら | 作成日時：2021年11月4日 21時
