微睡み 2 (ページ21)

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◯ 紡ぐ　［黒］ページ21

あなた side

リビングにストロベリーティーの甘い匂いが立ち込める正午。

お休みの日だけど、今日はほっくんはお仕事dayみたいで書斎から出てこない。

本当に没頭するとご飯もお風呂も何もかもほっぽってそれだけに突き進んじゃうんだから。

まあ、そんなところが好きなんだけどね。

流石に朝から篭りきりの彼の体が心配になる。紅茶を飲んで一息ついてほしいな。

まだまだあつあつの紅茶を手に、ほっくんのお仕事部屋へ。

「ほっくん？そろそろ少し休憩したらどう？お紅茶淹れたよ。」

ドアの外からそっと語りかけるけど返事はなし。邪魔をしたくない気持ちもあったけど、休んでほしい気持ちが接戦を制す。

「はいるよー？」

そっとドアを開けて光の方に目を向ける。
沢山の資料に囲まれながら、机に突っ伏す彼。

疲れて眠っちゃったのかと思ってそっとブランケットを手に取り近づく。

「ほくとくん、？」

寝ているだけだと思っていた彼の顔は穏やかではなく、綺麗なおでこに汗をびっしょりかいていた。

「……ほっくん、ほっくん！大丈夫！？」

『……っ、んぁ、……A、？』

「ちょっと！熱あるじゃん、。無理しちゃだめっていっつも言ってるのに…！」

『…し、しめきりが……』

「んもぅ、何言ってんの！？いいから早く寝るよ。せーので立つよ？」

だらりと力が抜けた北斗くんの体を支える。

何も映さないはずの彼の目が、辛さからか水分を含んでゆらゆら揺れていた。

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