おもいいろ ページ9
侑李side
〈なあなあ、こいつのお兄ちゃん見たことある?この前スーパーで見たんだけどさぁ、〉
クラス替えで一緒になったのは、ちょっと面倒な奴だった。
なんとなく、俺に絡んでくるなって思ってはいたけどどれもこれも我慢してきた。
でも今日話題に上がったのは、他でもない僕の大切なにーちゃん。
下唇をぐっと噛んで、頑張って汚い言葉の数々シャットダウンしようとする。
ダメだ侑李、聞くな侑李。
〈変な声、だしてさぁ。ずーっと動いてんの!〉
けれど、自分がどーのこーの言われるよりずっと苦しいにーちゃんの悪口。
いつもは冷静でいられる僕も、もやもやが大きくなっていく。
〈……なんだよ、その目。睨んでんじゃねーよ。〉
知らずのうちに、ソイツを睨みあげていたらしい。胸ぐらを掴まれて、教室の床に投げ飛ばされた。
〈だってほんとの事じゃん、ヘンなの。あーとか、うーとか。〉
侑李「……やめて。」
ソイツがにーちゃんのことを馬鹿にしたように真似した。周りも笑って、同調した。
なにそれーって笑いの輪が大きくなる。
侑李「にーちゃんを悪く言うな!!」
耐えても耐えても、耐えきれなかった怒りは僕を突き動かすには十分なエネルギーを発揮した。
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作者名:あむ | 作成日時:2021年10月29日 16時