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大貴side
大貴「……うわー、こりゃまた派手にやられましたな。」
綺麗に歯形がついたその腕に消毒液をかけて、ガーゼで覆う。
頬にはタオルに包んだ保冷剤を。
父さんは俺が手当てをする間、ずっと俯いていて。
暫くすると、鼻を啜る音が聞こえてきた。
大貴「……ちょっと父さん、そんな痛かった、？」
慧「……ちがうよ、俺情けないなあって、」
大貴「しょうがないよ。まだ上手くいかないこともあるさ。」
慧「いつも叱り役大貴に任せてばっかりで。本当は父親の俺がしっかりしなきゃいけないのに、…俺なんて家族とも認識されてないんだろうな、」
「大貴みたいに飴と鞭を上手に使いこなせたら、りょうちゃんのこともっと分かってあげられるのに。」
父さんが怒るのが苦手なのは知ってるし、それを気にしてることも当然。
でも俺はそんな父さんがいるからこそ、我が家はいいバランス取れてると思うんだけどな。
慧「……父親失格、だよ。ほんと。」
俺がりょうちゃんのこと大好きで、関わりすぎのかもしれない。
もっと家族3人で過ごす時間を増やせてたら、父さんが落ち込むこともなかったのかも。
実際、初めてのおうむ返しも名前呼びもぜーんぶ俺が貰ってしまった。
その度に、おめでとうと言ってくれてた父さんだけど本当はこうやって劣等感感じてたのかな。
大貴「…父さん。」
俺は膝を抱えて泣く父さんの背中をさする事しか出来ない。
どんな言葉をかけたらいいのだろう。
すると、ドアの隙間から気配を感じる。
振り返るとさっきまで眠っていた涼介がブランケットを引きずりながら立っていた。
大貴「あれ、りょうちゃんおきたか。」
涼介「……んーっ、んー、」
お腹すいたから呼びにきたのかなって思ってたけどどうやら違うみたい。
父さんの部屋に入ってきて、小さくぐるぐると回る。
何か伝えたい時の合図。伝えたいけど言葉が出てこない時の行動だ。
涼介「……ぅー、うー、」
両手をぱたぱた、小さくぐるぐる。
一体りょうちゃんは何を伝えたいのだろう。
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
