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大貴side
少しばかり、不思議な時間が流れた後。
りょうちゃんは膝を抱えて蹲る父親の前にちょこんとしゃがんだ。
涼介「…んー、えーんえーん、」
「ぅー、たいー？……たい？」
父さんの前でゆらゆら揺れながら、言葉の引き出しを必死に漁っているみたい。
涼介「……たいー？」
大貴「りょうちゃんが電車ぽい、したから痛いんだって。いい子いい子してあげて？」
涼介「……た、いねー、」
心配してるみたいだけど、泣かせたの貴方ですよ。りょうちゃん。
と言いたくなる気持ちをぐっと抑える。
すると、ひらひらなびかせていた手が父さんの頭にちょこんと乗った。
大貴「父さん、いいこいいこって。」
涼介「……と、……」
大貴「……！？」
もしやこれは「父さん」と言おうとしているんじゃないだろうか。
大貴「涼介！と、う、さ、ん。…いま言えそうだった！」
そんな俺の叫びで、半べそかいてた父親も思わず顔を上げる。
涼介「……とー、」
大貴「そう！涼介！とー、うー？」
涼介「……とー、と！」
�猊磴気鶚瓩辰�4文字は難しかったみたいだけど、涼介の中では言えたみたいで満足げな顔。
涼介「とと……、たぃねー、」
大貴「とと。か。惜しいけど、父さんのことだよきっと。」
「父さん、りょうちゃんはちゃんと分かってるよ。大丈夫！」
りょうちゃんが初めて父さんの事、ちゃんと意味ある言葉で呼んだんだ。
俺がそう伝えると、さっきまで治っていた父の涙がまたみるみるうちに満タンになって。
ぼろぼろと溢れ始めた。
涼介「……とーと、えーん、えーん。……たいの？」
慧「ううん、っ、違うの。痛いんじゃなくて嬉しいの。っ、すごくすごく嬉しいの！」
結局、乱すのもそれを戻すのもりょうちゃんの役目。
本人は何したのか分かってないのが1番可愛いけどさ。
これからもりょうちゃんらしく少しずつ、言葉の引き出し埋めてくれたらいいからね。
……あ、ととの言うこと聞かないで泣かせるのはもう勘弁、ですけど。
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「いろちがい」/ end
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いつもWant to live.を読んでくださってありがとうございます！
次の更新時に移行となりますので、図々しいのは承知ですが、作品の評価にお力添え頂けると執筆のモチベーションになります。
どうぞよろしくお願いします。
あむ
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新道踏切(プロフ) - リクエストお願いします！伊野尾くんが心臓病でいつも心配してくれるやん家族に反抗期で、冷たく当たる話が読みたいです(*^^*)毎回楽しく読ませて頂いてます！更新頑張ってください!! (2021年1月14日 8時) (
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作者名：あむ
| 作成日時：2020年12月19日 20時
